今、海外ではトコジラミが急増。さらに殺虫剤が効かない“スーパートコジラミ”までも登場し、日本でも相談が急増しています。
一度駆除しても再発のワケとは……?
海外でのトコジラミの状況と共に、トコジラミの生態や対処法まで一気にご紹介します。
世界中で急増!?フランスと韓国では社会問題に。
最近よくニュースで見かける「トコジラミ」。フランスと韓国ではかなりの社会問題になっているようです。
オリンピックを控えたフランスで、トコジラミが社会問題化!
五輪を控えたフランスでトコジラミが大量発生し、社会問題となっていることをご存知でしょうか。
とあるアパートでは、1室にトコジラミが発生したのが確認されたため、業者に駆除を依頼。しかし結局、新しい借り主のためにソファやベッドのマットレスを全て廃棄する事になるほど、トコジラミの被害は大きなものです。
2024年にパリ・オリンピックを控えている中、フランスのエリザベット・ボルヌ首相は、トコジラミについて「トコジラミの侵入は住民にとって地獄なる可能性があり、駆除には相当なお金がかかります。」とのコメントを出しています。
ビンデミックとは?被害は日本のお隣の韓国でも!
韓国語でのトコジラミは「ビンデ」と呼ばれる事から、ビンデ+パンデミック=ビンデミックという造語によってトコジラミ急増が報じられるほどです。日本人が多く訪れる韓国のソウル駅の周辺でもトコジラミが確認され、ソウルの中心部でも急増し警戒が強まっています。
これらの状況を受け、トコジラミがいないと確認ができたホテルに対し、市は認証ステッカーを発行しています。また人が多く密集する電車では座席や窓、連結部に至るまで念入りに清掃を実施しています。
ビンデミックに対するソウル市民のコメント
韓国では無縁だと思っていたけど、最近、発生していると聞いたので、ホテルはあまり利用したくないですね。
幼稚園でも見つかったそうですし、気になるので洗濯の回数を増やし、乾燥機も長めにかけています。
多くの観光客が利用するホテルでは、こちらにスーツケースを置くと想定して、高温のスチームを吹きかける作業を行っています。
脅威の繁殖力を持つトコジラミ、懸念は日本でも!
真偽は不明なものの、先月22日に大阪メトロにトコジラミか、という目撃情報がSNSに投稿されました。(2023年12月6日時点)
これが本当にトコジラミかは確認されていませんが、大阪メトロでは全線・約1380車両を順次、掃除機で清掃しているようです。
トコジラミはどんな虫?特徴を徹底解剖!
そんな海外日本で問題となっているトコジラミ。そうは言っても自分には関係がないと思っている方も多いと思います。
しかし、どんな症状があってどんな対策が必要なのかは知っておいて損はありません!
人の血を吸う虫、トコジラミとは?
トコジラミは海外で急増している虫で、インバウンドの増加に伴いトコジラミの侵入に注意をしなければならなくなりました。とくに海外旅行や、海外からのネットショッピングには不安が募ります。
トコジラミは人の血を吸ってかゆみを引き起こす昆虫です。日中はベッドと壁の隙間などに潜んで、夜になると出てきて吸血活動を行います。
刺された場合、手足や首まわりなどに赤い噛まれたようなブツブツができて、眠れなくなるほど痒くなります。
また、「シラミ」という名前がついていますがカメムシの仲間です。
トコジラミは別名「南京虫(ナンキンムシ)」とも呼ばれますが、中国産の虫ではありません。中国や南京に関係が無い為、ナンキンムシという名称は適切ではないという話になって、トコジラミと呼ばれるようになったと言われています。
トコジラミは繁殖スピードが非常に速く、自力で駆除することが難しいことから、ノイローゼになってしまう人もいるほどの厄介な害虫です。
トコジラミが生息している場合、建具(ドアや窓、襖などの総称)の裏や、巾木(壁と床の境目に取り付けられているもの)の隙間など、よく見ると点々とした黒いゴマの様な感じで糞をしています。
そして、その周りには抜け殻や死骸、卵がある事もあり、大抵その周辺はトコジラミの住みかになっている可能性があります。
トコジラミの潜伏場所は?
人が寝静まった深夜に吸血するため、寝る場所周辺の狭くて暗く、温かい場所に潜伏しています。具体的には、就寝中の人を吸血しやすいベッドや布団を敷く場所の周辺、カーペットの下に潜む傾向があります。
また、体が平たいため、畳の隙間、床や壁の継ぎ目、段ボール箱、タンス、引き出しの裏、コンセントプレートの中などにも潜り込みます。
清潔・不潔は関係なしに部屋に持ち込むと発生し、暗くて暖かい場所を好みますので、冬でも暖房で部屋が暖かいと繁殖します。
抵抗性1000倍!!のスーパートコジラミとは…
市販の殺虫剤では抵抗性がついてしまい、駆除しきれないトコジラミは「スーパートコジラミ」と呼ばれています。
通常のトコジラミに比べてスーパートコジラミの抵抗性は、約1000倍。今、世界で広がっているのがこのタイプです。
日本人の海外旅行者や訪日外国人などの旅行カバンなどの荷物に付いて国内に運ばれた可能性が高いと言われています。
東京でトコジラミ被害が!市販の殺虫剤では効かない”スーパートコジラミ”が出現!
トコジラミの被害は東京でも確認されています。
あるトコジラミの駆除業者が向かったのは、都内マンションの1フロアを貸し切った寮。9部屋中3部屋がトコジラミ被害が出たとのこと。
もう刺されてすごかったですよ。腫れ上がっていましたよ。市販のスプレーをいっぱい買ってきて何回もまいたんですよ。でも、全然、効き目がなかった。
そう語った寮長は、市販の殺虫剤では効果がなかったため駆除を依頼。業者によると従来の殺虫剤では効かない”スーパートコジラミ”が日本でも広がっているようです。
駆除業者によると…
ベッドをめくりあげると血糞の跡が点々とありました。血糞とは、トコジラミの糞の事を指します。トコジラミは一生の間、動物の血液を吸い生きている為、その血液を糞として排出します。したがって、血液が濁った様な黒い糞を点々とし、この黒いゴマみたいな点が血糞になります。
スーパートコジラミは熱に弱いため、100℃の高温のスチームを吹きかけて駆除します。するとベッドの中に隠れていたトコジラミが出てきます。
スチームで死滅させた後に業務用の薬剤を散布しますが、1回の散布だけでは奥に潜むトコジラミに届かない可能性がある為、最低2回以上行う必要があるということです。
大きな被害をもたらすトコジラミ。しかし寮で発生したトコジラミの経緯については不明なようです。
(心当たりは)全然、無いですね。だからビックリしますよ。寮内には、最近、海外旅行に行った人もなく、トコジラミが持ち込まれた経緯は不明です…。でも、何もしないでこのままにしてたら、この寮全体が全部ダメになっちゃうでしょ。
ある駆除業者によれば、今年のトコジラミの駆除依頼数は約400件で前年比2倍になっているそうです。
日本でも急増する”スーパートコジラミ”への対策
トコジラミは被害が広がってしまってからでは数回に渡る駆除が必要となるので、根絶させるのは個人では難しいものです。
その為、持ち込まない・万が一持ち込んでしまっても直ぐに対処することが大切となります。
家でできるトコジラミ対処法
- 個人から購入する古着や中古家具など中古品は注意
- 布張りのある共有移動の空間(タクシー、電車、バス)では、人混みをできるだけ避ける
- 外から帰宅した際は、素早く衣類を洗濯する(できれば乾燥機を利用する)
また、海外から送られてきた荷物でトコジラミが怪しまれるものについては、
- 60℃以上のお湯につける
- 袋に入れ2時間以上日に当てる
いずれかの対処を行うようにしましょう。
海外旅行でできるトコジラミ対策
韓国旅行をした日本人観光客が実際に宿泊先先で行ったトコジラミ対策を紹介します。
まず、ベッドの枕元はビニールで覆います。荷物はまとめてビニール袋の中へ。部屋の至る所に防虫剤を置き、室内用のスリッパを自分で用意していました。
対策をした日本人観光客によれば、私たちは万が一が怖いので、電車に乗る時もシートには座らないようにしていました、との事です。
また、トコジラミは明るい場所が苦手なので常に部屋の電気をつけておくのも効果的。
つるりとした素材の上ではうまく行動ができないという特性を使い、旅行後のスーツケースやカバンなど、長期間使わない物はポリ袋に入れた上で浴室に置いておく、という手段もあるそうです。
どうしても海外に行く必要がある場合は、こういった対策を行うのも一つの手ですね。
おわりに
コロナが第5類に格下げされ、人の流れが戻ったということで、明らかにトコジラミ被害が日本国内でも増えていますので、皆さんも警戒と対策をお願いします。
もし万が一、強いかゆみを感じたり、トコジラミを家に入れてしまったかもしれない、という疑いが合った場合は専門の業者を利用することをおすすめします。
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