ガスライティングやモラハラは、心理的虐待と言われる行為です。
それぞれの手法には違いがあるものの、精神的なコントロールを目的とするところは共通しており、被害者は自己肯定感が下がったり、相手に依存したりしやすくなります。
本記事では、ガスライティングとモラハラの見抜き方、対策の仕方について解説しますので、自分の身を守るための参考にしてください。

ガスライティングとは
ガスライティングとは、加害者が被害者の現実認識や記憶を操作し、自信や判断力を喪失させる心理的虐待の一種です。
例えば、加害者は意図的に嘘をついたり、情報を歪めたりして被害者を混乱させ、自分の感覚や記憶に疑問を抱かせます。
こうした操作により、被害者は自己肯定感を失い、加害者に依存するようになることがあります。
モラハラとは
モラハラ(モラルハラスメント)とは、言葉や態度、行動を通じて他者を精神的に追い詰める行為を指します。
これは職場や家庭、学校などさまざまな場面で発生し、被害者の精神的健康や生活の質に悪影響を及ぼします。
モラハラは直接的な暴力ではなく、言葉の暴力や無視、過度な批判など、巧妙で見えにくい形で行われることが多いのが特徴です。
ガスライティングとモラハラの違い
ガスライティングとモラハラは共に心理的虐待ですが、その手法や目的に違いがあります。
両者は重なる部分もありますが、ガスライティングはときに味方のフリをして被害者の認識や記憶を揺るがし、自分への依存度をあげようとするのが特徴的です。
ガスライティングの危険サイン
ガスライティングの危険サインには、以下のようなものが挙げられます。
記憶を否定したり、被害者の感情や感覚を「大袈裟」「敏感すぎる」などと否定し続けるのは、典型的なガスライティングのサインです。
家族や友人など、他者を巻き込んで妻に対する評価を下げるような情報操作を行うのも危険サインなので注意しましょう。
モラハラの危険サイン
モラハラの危険サインには、以下のようなものが挙げられます。
些細なミスや欠点を執拗に指摘し、人格を否定するような言葉や態度で被害者の自尊心を傷つけるのはモラハラの危険サインです。
気に入らないことがあると無視したり、周囲に嘘をふきこんで孤立させたり、自由を制限したりする場合も、早急な対策が必要になります。
ガスライティングとモラハラへの対策
ガスライティングやモラハラから身を守るには、以下のような対策が有効です。
日記やメモの活用
日記やメモに出来事や感情を記録し、自分の認識を客観的に確認しましょう。
「そんなこと言ってない」と言われても、あとから冷静に振り返れるので本当に自分が記憶違いをしているだけなのか、ガスライティングなのかを判断しやすくなります。
モラハラの記録は、あとあと証拠にもなるため、いつどんなことを言われたのか、その都度メモしておきましょう。
手書きの場合は消せないボールペンを使用し、デジタルの場合は追記や修正が難しい形式で保存するなど、後からの改ざんが疑われないよう工夫が大切です。
信頼できる人への相談
ガスライティングやモラハラに悩んでいるなら、家族や友人、専門家に状況を話し、第三者の視点からアドバイスを受けることも検討しましょう。
第三者に聞いてもらうことで、自分では気付けなかった考え方に触れ、自分がどうしたいか冷静に考えられるきっかけになることがあります。
情報収集
ガスライティングやモラハラに関する知識を深め、適切な対処法を学ぶことも大切です。
詐欺のやり口を知っていれば冷静に対処しやすくなるのと同じで、ガスライティングやモラハラの知識を持つと今後どう動くのが適切か判断しやすくなります。
相手がどんな意図で、どういった行動を取るのかを理解すると自己肯定感が下がるのを防ぎ、身を守りやすいです。
境界線の設定
加害者との関係において、これは許さないという明確な基準を設けることも重要です。
例えば、人前で侮辱されたらその場を離れる・人格や気持ちを否定することは許さないなど、はっきりとした境界線を作りましょう。
また、嫌なことは嫌だと言葉にして伝え、場合によっては物理的な距離を取ることも検討してください。
まとめ
ガスライティングやモラハラは、精神的虐待の一種です。
どちらも似通った部分はありますが、ガスライティングは相手が自分自身の記憶や認知能力を疑うように仕向けるのに対し、モラハラは言葉や態度で追い詰めるという違いがあります。
ガスライティングやモラハラは、相手を精神的にコントロールすることを目的としているため、被害にあった際は一人で抱え込まずに周囲に相談する等の対処が必要です。
メモや日記は手軽に自分を守る手段にもなるので、まずは記録をつけるところから始めてみてください。