風邪気味だと思ったときにふと食べたくなるカレー。本当に食べてもいいのか・食べたくなる理由をお伝えします。
風邪を引いた時にカレーが食べたくなる理由
今日は体調が悪いな……疲れやだるさ、なんとなく風邪っぽいかもしれない……。
一般的に風邪といえばおかゆや重湯というイメージがありますが、こんなことを思ったことはありませんか?
(ものすごくカレーが食べたい……!)
そう、体調が悪いにもかかわらず、何故か無性にカレーが食べたくなるときがあるのです。
体が求める栄養素とカレーの関係
風邪を引いた時に体が求める栄養素は、エネルギー源である炭水化物、免疫力を高めるビタミンやミネラルです。
カレーには様々なスパイスやの具材が含まれています。そのため、必要な栄養を一度に摂取できるので体がカレーを求めている可能性があります。
体が求める栄養が含まれたスパイスや食材
以下は風邪を引いたときに体が必要とする栄養素が含まれたスパイスや食材です。
- ターメリック
ターメリック(ウコン)には、抗炎症作用、抗菌作用、消化促進、免疫力強化の効果が期待できます。とくにターメリックに含まれる「クルクミン」は胆汁の分泌を促進し、肝臓の解毒作用を高めてくれます。血行にもいいので、体内にしっかりと血が巡り、各臓器に行き渡ります。また消化を助けてくれるので、風邪で食欲が無くても食事が進むでしょう。 - クミン
粘膜には細菌が体内に侵入するのを防ぐ役割があります。その粘膜の健康を支えるのが、クミンに含まれるビタミンAです。免疫力がアップするので積極的に摂取したいビタミンです。 - コリアンダー
コリアンダーは腸内に溜まったガスの排出を促す効果が期待できます。風邪でなくても摂取したい食材です。また、ターメリックと同じように消化をサポートしてくれます。 - シナモン
ターメリックと同じように血行を良くする作用があります。 - しょうが
生姜に含まれる「ショウガオール」は、ターメリックやシナモンと同じように血行を良くする作用があります。また、体を温めて炎症を抑えてくれる効果も期待できます。 - 玉ねぎ
玉ねぎには熱で失われてしまう栄養素もありますが、熱に強い「プロピルメルカプタン」という物質は、胃の粘膜を保護して血流を促す働きをしてくれます。また「ケルセチン」は水には弱いですが熱には強く、抗炎症作用などがあります。ポリフェノールの一種なので、抗酸化作用も期待できます。 - にんじん
ビタミンAが豊富な食材なので、クミンと同じように粘膜の健康を支えてくれます。
※実際はβ-カロテンが豊富なのですが、体内でビタミンAに変わります。
このように、風邪を引いたときに必要とするものがたくさん含まれているのがカレーなのです。
夏場の体調不良のときはこの他にもおすすめのスパイスがあるので、カレー以外でも取り入れてみてはいかがでしょうか?
【関連記事】夏の体調不良にはスパイスで疲労を回復!効果一覧と注意点
心理的な側面も影響
風邪を引いた時にカレーを食べたくなるのは、心理的な側面も関係しているかもしれません。多くの人にとってカレーは慣れ親しんだ味であり、心を落ち着ける食べ物となっていることが考えられます。また、家族が作ってくれたカレーの思い出が、病気のときに無意識に安心感を求めさせる要因になっている可能性もあります。
風邪を引いた時にカレーが食べたくなるのは、体と心の両面から見ても納得のいく現象です。
カレーで風邪を悪化させない方法
カレーが食べたくなる理由はわかりましたが、本当に食べて問題ないのでしょうか?
実は症状などによっては悪化させてしまうこともあり、注意が必要です。
カレーを食べる際の注意点
風邪を引くと胃腸の動きが弱くなります。
カレーはスパイスが強く、日本の家庭的なカレーの場合は油分を多く含んでいるため、胃に負担をかけてしまい、悪化の原因になることも。
どうしても食べたい場合は、辛さを控えめにしたり、消化の良い具材に変更したり、市販のルーを少なめにしてスパイスを足すなどの配慮が必要です。また、乳製品を多用するカレーは、痰を増やす原因になるため、風邪の症状によっては避けた方が良いでしょう。
一番負担が少ないのは、辛さを控えめにしたスパイスから作るカレーですが、普段作らない人にとってはスパイスが揃ってないので大変です。
そこでおすすめなのは、カレールーではなくカレー粉をうまく活用することです。水溶き片栗粉などでとろみを足しながら、サラッと食べれるカレーなら胃への負担も少なく済みます。
量も無理に食べるのではなく、食べられる量に留めておきましょう。
カレーはあくまで風邪予防に
風邪の症状には、喉の痛み、鼻水、咳、発熱などがあります。これらの症状に合わせて、消化が良く、栄養価の高い食事を選ぶことが一番重要です。そのため、風邪のときにカレーを食べるのではなく、あくまで風邪予防として体の調子がいつもより悪いと思った時に食べるのが良いでしょう。
あくまで予防ですのでカレーに頼るだけでなく、バランスの取れた栄養と運動、睡眠を心がけましょう。
本場インドでは風邪のときに何を食べるの?
食べるタイミングや食べ方を工夫することでカレーは体に良いことがわかりましたが、本場のインドでも風邪を引いたときはカレーを食べているのでしょうか?
カレーはもともと薬膳料理ですので、体に良い食材が豊富に含まれています。
しかし、実際にインドで食べられている滋養強壮の食事は「キチュリ」という豆のたくさん入ったおかゆです。こちらもターメリックやクミン、コリアンダー、生姜といった弱った体が必要としている食材を利用しています。
レンズ豆とお米、スパイスがあれば作れるのでカレーだと胃もたれしてしまうという人は、こちらを試してみるのも良いかもしれません。
まとめ
カレーはスパイスやたくさんの具材で体に必要な栄養素などを接種することができるため、体が弱っていると必要な栄養素をを補うために無意識に食べたくなることがわかりました。
しかし、スパイスや油分によって胃腸への負担が強いため、風邪になってから食べるというより、風邪になる前の予防として食べるほうが良いかもしれません。
いつもと少し体の調子が違うな……?と思ったら近所のカレー屋さんに入ってみましょう!
筆者のおすすめカレーは、蔵前にあるSERENDIB(セレンディッブ)です、本格的なスリランカカレーをいただけます。小麦粉を使わず、油も少なめなヘルシーなカレーです。
辛さの調節はできないので、カレーは甘口しか食べれない!という方には難しいかもしれません。私も中辛がかろうじて食べられる程度なので、実は食べるのは結構大変です。それでもまた食べに行きたいなーと思うほど美味しいカレーなんですよ。
平日のお昼時にはお店の外によく並んでいるのを見かけます。テイクアウトもできますので、蔵前に来た際にはぜひ♪