春の訪れと共に、新たな香りと味わいを楽しむ季節がやってきました。そう、新茶の季節です。
青々とした新芽から抽出される新茶は、ビタミンやミネラルのほか栄養分を豊富にふくんでおり、春の豊かな息吹を感じさせてくれます。今回は、新茶の淹れ方について紹介します。豊かな香りと深い味わいを引き出すためのコツをマスターし、春の訪れを心から楽しんでみましょう。
茶葉の選び方
まずは、新茶を淹れるための良質な茶葉を選びましょう。茶葉の鮮度や品質が、淹れたお茶の味わいに大きく影響します。口コミをしっかりと確認して、信頼できそうな茶葉専門店やオンラインショップで、茶葉を選ぶことがポイントです。
購入する際は「収穫時期」「茶葉の形状」「香りや風味」「産地」について確認することをおすすめします。
収穫時期
お茶は春から秋頃までに4回収穫できます。そのうち新茶は春に収穫されるお茶のことを指し、一般的には3月から5月の間に収穫された茶葉が新茶として販売されます。
茶葉の形状
新茶の茶葉は鮮やかな緑色で、柔らかくみずみずしいです。茶葉が鮮度を保っていることを確認しましょう。また、新茶は一般的に茶葉が短く、細かいことが特徴です。
香りと風味
茶葉の香りや風味は新鮮さを示す重要な要素です。新茶は華やかで豊かな香りがあり、爽やかな味わいが特徴です。オンラインショップではできませんが、店頭で購入する際は店舗によっては香りを確かめさせてくれたり、試飲させてもらえる場所もありますので、色々と試してみてください。
産地
新茶は産地によって風味が異なります。一般的には日本の5大銘茶と言われる「滋賀:朝宮茶」「埼玉:狭山茶」「静岡:本山茶」「静岡:川根茶」「京都:宇治茶」が有名です。新茶初心者の方には、苦みと渋みのバランスがほどよい「静岡:川根茶」をおすすめします。
茶器の準備
急須や茶壺を使うことで、茶葉とお湯の接触時間や混ざり具合をコントロールすることができます。特に急須は茶葉の香りを引き出すのに適していますので、使い慣れた器を活用しましょう。
茶器の選択
茶器はお茶を入れるためのポットや急須、またはお茶を飲むためのカップや湯飲みなどが含まれます。素材一つでも、陶器の器でもアルミや銅が含まれているとお茶の味が悪くなると言われていたりします。また本格的な道具となると茶合、急須、茶碗、茶托……と、たくさんの器具がありますが、全部揃えるとなると大変です。
まずは100円ショップなどで販売されている不織布のお茶パックに茶葉を入れて、ティーバッグのようにして楽しむのがお手軽ですよ。
茶器の洗浄
使用する茶器は清潔であることが重要です。茶器を使用する前に、熱湯で茶器を洗って清潔にしましょう。特に急須やポットの場合は、内部に茶葉の臭いが残らないように丁寧に洗浄します。
お湯の用意
お茶を入れるために適切な温度のお湯を用意します。一般的には緑茶は80〜85℃程度のお湯が適しています。沸騰したばかりのお湯は100℃となり、そこから20℃程度温度を落とさなければなりません。
適温になるまでほっておくのもいいですが、湯冷ましを行うのもいいでしょう。湯冷ましは本来なら専用の器具がありますが、2個以上の大きめのコップなどでも代用できます。口が広く注ぎ口がついているものだとなお良いでしょう。ヤカンから一度注ぐだけで、5~10℃温度が下がると言われています。2,3回繰り返すことで適温へと調節していきます。
茶器の予熱
急須やポットなどの茶器を使用する場合は、お湯を注いで茶器を予熱します。茶器が暖かくなることで、お茶の温度が保たれます。
お茶の注ぎ方
一杯のお茶を淹れるという行為には、独特の美しさと奥深さがあります。お茶の注ぎ方は、茶器やお茶の種類によって異なりますが、一般的な手順を以下に示します。
茶葉の量
茶葉を急須に入れます。お茶の種類や好みによって茶葉の量を調整しますが、1人分につき茶葉を小さじ1杯程度が目安です。
お湯の注ぎ方
お湯の量は1人分で約150〜200ml程度が一般的です。
まずは茶葉が浸るようにゆっくり、軽く茶葉を覆う程度のお湯を入れます。この工程を通じて、茶葉の表面に熱湯を注ぎ、茶葉を活性化させます。
待ち時間
注いだ後、しばらく時間を置くことに寄って香りや味を引き出します。待ち時間はお茶の種類や好みによって異なりますが、一般的には30秒から1分程度待ちます。
追加のお湯注ぎ
時間を置いたら、追加のお湯を注いでいきます。ここでもゆっくりと行いましょう。お湯を一気に注ぐと茶葉が破損し、苦味が出ることがあります。
お茶の注ぎ方
お茶を注ぐ際には、茶器やカップの口から直接注ぐか、急須などを使用して注ぐ方法があります。注ぎ方は個人の好みや茶器によって異なりますが、丁寧に注ぐことで茶葉やお湯を優しく扱い、香りや味を楽しむことができます。また、複数人へお茶を提供する場合は、少量を細かくそれぞれのカップに注いでいきましょう。こうすることで、お茶の濃さが平等になります。
急須を使ったお茶の注ぎ方
急須は、茶葉の香りや味わいを引き出すための優れた道具です。注ぎ方は、円を描くような柔らかな動きで行うと良いでしょう。このようにすることで、茶葉が均等に湯を吸い、深い味わいが楽しめます。
茶壺を使ったお茶の注ぎ方
茶壺もまた、お茶を淹れる際に便利な道具の一つです。茶壺もゆっくりとお茶を注ぎます。このとき、茶壺を傾ける角度や注ぎ方にも注意が必要です。茶壺の形状や注ぎ口の形によって、味わいが変わることもありますので、慣れるまで試行錯誤することも大切です。
お茶の淹れ方のバリエーション
新茶を楽しむための淹れ方にはさまざまなバリエーションがあります。
冷やし茶(水出し茶)
新茶を冷水に漬けておくことで、爽やかな風味を楽しむことができます。茶葉と水の比率や漬ける時間を調整することで、好みの濃さや風味に仕上げることができます。
氷出し茶
氷を使って急速に冷やしたお湯で茶葉を淹れる方法です。急須に茶葉を入れ、熱湯を注いだ後に氷を入れて混ぜると、香り高い氷出し茶が楽しめます。
玉露方式
茶葉を急須や茶壺に入れた後、お湯を注ぎ、数回軽く振ってからお茶を注ぎます。この方法で茶葉を湯通しし、より豊かな香りと味わいを引き出すことができます。
蒸し茶
蒸し茶器を使用して茶葉を蒸すことで、茶葉の香りを引き出し、より深い味わいを楽しむことができます。蒸し時間や温度を調整することで、好みの風味を得ることができます。
茶こしを使った濾し茶
急須などの茶こしを使用して、茶葉を入れた器に熱湯を注いでお茶を淹れる方法です。茶こしを通してお茶を注ぐことで、茶葉の渋みや粉末を取り除き、すっきりとした味わいを楽しむことができます。
新茶の購入場所
一般的に茶葉専門店や日本茶店、スーパーマーケット、オンラインショップなどで購入することができます。
茶葉専門店
地元の茶葉専門店や茶舗では、豊富な種類の新茶を見つけることができます。店員さんに相談しながら、自分に合った新茶を選ぶことができます。また店舗で直接茶葉を購入することで、購入前に香りや見た目を確認することができます。
蔵前にあるおすすめのお茶屋さん
私の働いている「蔵前駅」の近くだけでも、4個所のお茶屋さんがありました。蔵前という土地柄おしゃれなお茶屋さんが多いですが、古くから営んでいるようなお店も趣がありますし、長年の経験と実績があるので信頼できます。
スーパーマーケット
多くのスーパーマーケットや食料品店でも、季節によっては新茶を販売しています。一般的な種類の新茶を手軽に購入することができます。ただ、品質や鮮度には留意する必要があります。
普段さくっと飲むような茶葉を入手できる場所と考えたほうが良いでしょう。
オンラインショップ
オンラインで茶葉を購入することも可能です。茶葉専門店や有名な茶園が運営するオンラインショップでは、様々な種類の新茶を取り扱っています。品質や鮮度にこだわった茶葉を手軽に購入することができます。またオンラインショッピングの利便性を活用して、自宅から手軽に新茶を購入することができます。
茶畑や農園
一部の地域では、茶畑や茶農家が直接販売を行っています。茶畑や農園を訪れて、新鮮な茶葉を直接購入することもできます。また、茶畑での体験やツアーも楽しむことができます。
おわりに
新茶の香りと味わい、そしてその淹れ方の奥深さをご紹介しましたが、実際に手に取って、自分の手で淹れることで初めてその美味しさを味わうことができます。茶葉の種類や淹れ方の違いによって、それぞれのお茶が持つ個性を楽しむことができるでしょう。ぜひ、この記事で紹介した方法を参考にして、自分なりのお茶の淹れ方を見つけてみてください。心を落ち着かせ、豊かな香りに包まれながら、一杯のお茶を楽しむ時間は、日々の喧騒から離れ、心身をリフレッシュさせる絶好の機会です。