夏の体調不良の対策におすすめなスパイス6選とどのような効果が期待できるのか一覧・注意点をご紹介します!
残暑は昼間は暑いですが油断すると夕方や、天気が悪い日は突然寒かったりしますよね。
季節の変わり目は、気分も体調も不安定になりがちです。
そんな時はスパイスの力を借りて乗り切りましょう!
季節の変わり目の風邪に:ジンジャー(生姜)
辛味や香りに優れた効果があり、辛さのもととなる「ジンゲロール」や「ショウガオール」といった成分が優れた殺菌力があります。
また、生姜には400種類近くの成分が含まれているので、その分だけ効能が期待できます。
ジンジャー(生姜)の効果
消化を促進する効果
生姜には唾液の分泌を促し、食欲を増進させるため消化促進効果があり、胃の不快感を和らげることが知られています。特にジンゲロンは強い殺菌作用があり、食中毒の予防に効果的。
抗炎症作用
生姜に含まれるジンゲロールという成分は抗炎症作用があり、リウマチ、神経痛等の痛みを和らげてくれます。また、肩こり、腰痛にも効果を発揮します。
免疫力を高める効果
生姜に含まれる栄養素や抗酸化物質が免疫力を高め、風邪やインフルエンザなどの病気から身を守るのに役立ちます。
血糖値のコントロール
生姜は血糖値を安定させる助けになり、糖尿病管理にも役立ちます。
吐き気やめまいの緩和
生姜は妊娠中のつわりや、移動病などで起こる吐き気やめまいを緩和するのに効果的です。
また、吐き気軽減の効能は乗り物酔いに効果的とされており、乗り物に乗る前に生姜湯などで摂取すると予防効果が見込めるそうです。
注意点
生姜を摂取する際には過剰摂取に注意が必要であり、特に胃潰瘍や胃炎などの消化器系の問題を抱えている人は摂取量を制限する必要があります。また、他の薬との相互作用にも留意する必要がありますので、医師に相談することが重要です。
基礎代謝をアップ:シナモン
血行を促進する効果が期待できるシナモン。
その成分は「シンナムアルデヒド」です。
シンナムアルデヒドは、毛細血管を強化する物質である「Tie2(タイツー)」を活性化させます。
Tie2は、血管やリンパ管等を構成する内皮細胞に存在する受容体型チロシンキナーゼの一種で、活性化すると傷ついた毛細血管の修復がスムーズに行われます。
毛細血管が修復されると、身体の末端にまで血流が届くようになるため、全身の血流がアップしやすくなり冷えの解消や免疫力の向上に効果があると言われています。
基礎代謝も上がるため、基礎体温も上がりダイエットや風邪予防につながります。
シナモンの効果
全身の血行促進による効果
- 冷えの解消
- 免疫力の向上
- 代謝の向上
- 肌のシワ、シミ、たるみを目立ちにくくする
- 抜け毛の防止
またシナモンは、抗酸化作用成分でもあるポリフェノールの一種「プロアントシアニジン」を含みます。
シナモンは他のスパイスと比べ抗酸化作用がトップクラスと言われています。
抗酸化作用による効果
- がんの予防
- 肌のシワ、シミ、たるみを目立ちにくくする
- 免疫力の向上
- 生活習慣病の予防
- 悪玉コレステロール値を下げる
抗炎症・抗菌などその他の効果
- 体の炎症を制御してくれる「抗炎症作用」
- 菌やウイルスを抑制する「抗菌作用」
- シナモンの香り成分である「経皮アルデヒド」による消化促進
- むくみの予防
- 糖尿病の抑制
- 花粉症の予防
注意点
とりすぎると肝障害を引き起こす「クマリン」という成分が含まれているので、食品よりもサプリなどで摂取する場合は気をつけてください。
特にスリランカ産の「セイロンシナモン」に比べてアジア産「カシア」に「クマリン」が多く含まれているので注意が必要です。
食べ過ぎちゃった胃に:カルダモン
スパイスの女王と呼ばれるカルダモン。すーっと鼻に抜ける爽やかな香りと柑橘系のような甘い香りが合わさり高貴な香りを放つスパイスです。
お料理ではお肉や魚の臭み消しに使われる他、マサラチャイやカレーにも使われています。
季節の変わり目、なんだかモヤモヤする気持ちを抑えられず食に走ってしまう人も。そんな人におすすめしたいスパイスです。
カルダモンの効果
消化促進
主成分の「テルピニルアセテート」が胆汁の分泌を施し、胃もたれやお腹の張りを改善するほか、腸内に溜まったガスを取り除くなどの効果が期待できます。
抗炎症作用
カルダモンに多く含まれる「1,8-シネオール」。
この成分には殺菌効果があり、また、免疫を活性化させ、炎症を抑えるのに有効だと言われています。
このシネオールは、呼吸器官の不調改善にも効果があり、喉や鼻のトラブルを解消するとされています。
口臭予防
カルダモンは香りが強いので、口臭ケアにも役立ちます。
お肉やニンニク、アルコールなど臭いが強いものを摂った後にカルダモンの種を噛むと◎。
リラックス効果
カルダモンの香り成分に自律神経を整える「酢酸リナリル」や、血圧降下作用のある「リナロール」が含まれているので、心身をリラックスさせる効果が期待できます。
またシネオールも精神を安定させる作用があり、緊張した体を暖めて疲労を回復させる効果も見込めます。
脳機能の改善
カルダモンを接種する事により、前頭葉の酸素消費量が上がり、脳の作動記憶に働き認知機能の向上に期待できる可能性があるようです。
また、発汗作用もあるので、デトックスやダイエット、風邪の引き始めにも効果的です。
注意点
カルダモンは胃酸の分泌を抑える効果や胃の粘膜を沈静化させる効果が期待されており、摂りすぎると消化不良のリスクを高める可能性があります。
また、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。
食欲を抑えてくれる:クミン
カレーに無くてはならないスパイスであるクミン。
甘くスパイシーでコショウにも似た独特な香りです。
インドカレーによく含まれるクミンは、いわゆる「カレーの香り」のメインを構成しているスパイスです。
カレーでおなじみのクミンですが、さまざまな健康効果があるようです。
クミンの効果
消化促進効果
クミンの抽出物には消化を促進する効果があり、消化不良や腹部不快感を緩和するのに役立ちます。また、胃酸分泌を促進して消化を助ける働きもあるそうです。
抗酸化作用
クミンには「テルペン」「フェノール」「フラボノイド」などの高い抗酸化作用があるとされている成分がふくまれており、体内の活性酸素を中和し、細胞を保護する効果があるそうです。また、脂質の過酸化を抑制することで老化や生活習慣病の予防も期待できそうです。
血中コレステロール改善効果
クミンには「植物ステロール」が含まれており、血中コレステロール値を改善する効果効能が見込めます。
コレステロール値が高いと肥満や動脈硬化などの生活習慣病のリスクが高くなります。
クミンに含まれる「植物ステロール」は脂質の一種で、悪玉コレステロールを吸着し、体外に排出してくれる働きがあります。
ダイエット効果
クミンに含まれる「リモネン」という成分にはダイエットをサポートする効果もあるようです。
「リモネン」は交感神経を活発にし、食欲を抑えてくれる働きもあり食べ過ぎを抑えてくれる効果が期待できます。
肥満の被験者にクミンパウダーやサプリメントを与える実験をしたところ、複数の実験で2~3ヶ月での減量が確認されているようです。
貧血予防
クミンには100gあたり鉄分が11.7mg含まれています。
鉄分はヘモグロビンの主成分で、鉄分が不足すると立ちくらみや息切れなど、貧血の症状に悩まされることに。貧血になりやすい人は、意識してクミンを摂取すると貧血予防に効果が期待できます。
注意点
クミンはセリ科のスパイスなので、セリ科アレルギーがある方は注意してください。
アレルギーの副作用として、じんましん・痒み・舌のしびれ感・呼吸困難などを引き起こす恐れがあります。
また、クミンは刺激のあるスパイスなので、胃腸の弱い方、妊娠中および授乳中の方は摂取を控えることをおすすめします。
乱れた睡眠を整える:ナツメグ
肉の臭みを消す効果があるナツメグは、ハンバーグやミートローフなどの挽き肉料理に欠かせないスパイスです。基本的には香りづけに使われるため、肉料理以外にもクッキーやケーキなどの焼き菓子に使うこともできます。
ナツメグは「nutmeg」と書き、豆のnutとムスクのmegからつけられたと言われているそうです。
ナツメグの語源の意味はムスクの香りがする豆という意味になるそう。
そんなナツメグにはさまざまな健康効果があります。
ナツメグの効果
消化を助ける効果
ナツメグには整腸作用で消化を助ける効果が期待できます。
ナツメグに含まれる「ピネン」という成分が、胃の粘膜を保護しながら消化をサポートし、「ミスチリン」という成分が腸内に溜まったガスや老廃物を排出するサポートをすることで便秘や下痢の改善に作用し、腸内環境が整えられます。
そのため、シナモンとともに市販の胃腸薬(太田胃散)にも配合されています。
睡眠を促進する効果
ナツメグは糖質の代謝に関与するビタミンB1の吸収を高め、疲労回復の効果が期待できます。
また、ナツメグの香り成分である「a-ピネン」はリラックス効果があり、睡眠を促進する働きがあります。
特に、ナツメグを含むホットミルクなどを摂取することで、良質な睡眠をサポートすることができます。
痛みを緩和する効果
ナツメグは古代中国では、定番の鎮静剤として使用されていたほど。
その成分はナツメグに含まれる「オイノゲール」。この成分に鎮静作用があり、頭痛や筋肉痛、虫歯などの炎症による痛みの他、腹痛や胃痛の症状を和らげるのに役立ちます。
殺菌、抗菌作用
ナツメグに含まれる「オイノゲール」は消臭効果や、殺菌・抗菌効果があり、歯磨き粉やマウスウォッシュに使用される成分の一つでもあります。
口内の細菌を殺菌し、増殖を抑えることによって、口臭予防にも繋がります。
体をあたため冷え性改善効果
糖質や脂質をエネルギーに変えてくれるビタミンB群が含まれており、新陳代謝を活発にして血行を促進させる効果が期待できます。
血行が良くなることによって冷え性が改善されるので、特に冷えによって起こる女性ホルモンのバランスの乱れに効果的です。
注意点
ナツメグは料理に少量使う程度(推奨量としては肉1㎏に対して0.2~0.5gほど)なら全く問題はありませんが、過剰に摂取すると幻覚作用や頭痛、吐き気、めまい、痙攣などの中毒症状を引き起こす可能性がありますので、適量を守ることが重要です。
アルコールの飲み過ぎに:ターメリック(秋ウコン)
二日酔いに効くとされているウコン。カレーの黄色もウコンの色です。
ウコンは50種類以上の品種があり、「春ウコン」「秋ウコン」「紫ウコン」や「黒ウコン」などが主な品種です。
その中で「秋ウコン」と呼ばれるものが「ターメリック」と呼ばれています。
そんな「ターメリック(秋ウコン)」には多くの健康効果があります。
ターメリック(秋ウコン)の効果
肝機能向上
ウコンに含まれる「クルクミン」は肝臓が生成する胆汁の分泌を促進し、解毒作用を高め、肝機能を向上させるとされています。
また「クルクミン」は、アルコールを分解する力が強いため、お酒を飲む前にウコンを摂取することで二日酔いの防止に効果が期待できるとされています。
江戸時代には肝臓や胃腸の薬として使われていたようです。
免疫力を高める効果
ウコンのもつ成分が活性酸素の発生や白血球の一種である好中球の活性化を抑え、抗酸化酵素の働きを保つことで、炎症を引き起こす物質の生成を抑えます。
他にもウイルスの働きを阻害する抗菌作用があり、免疫機能をサポートする役割も果たしています。
またウコンに含まれる「クルクミン」は強力な抗酸化作用があるため、体内の酸化ストレスを軽減する効果も期待できます。
食欲増進
ウコンには胃の活発な働きを助け、食欲を増進する効果もあると言われています。
ウコンに含まれるクルクミンや精油成分には、胃液の分泌を促し胃粘膜を保護して、運動を促進する働きがあるとされています。
消化不良の症状がある患者116人を対象にした試験では、ウコンを7日間摂取することで症状の改善が見られたそうです。
血流改善
血中の悪玉(LDL)コレステロールの酸化を抑制する働きがあるウコンは、コレステロール値を下げ、血流を改善する効果があると言われています。
ウコンの成分である「クルクミン」も動脈硬化を抑制する作用が確認されているそうです。
ウコンを摂取することで健康な血管機能を維持し、脳卒中や心臓病のリスクを軽減する効果も期待されています。
他にも、整腸作用や脳機能活性、健胃作用など健康維持効果が期待できる効能がたくさんあります。
これらの効果を得るためには、ターメリックを料理に使ったり、サプリメントとして摂取したりすることが一般的です。
注意点
過剰摂取や長期摂取では消化管障害を起こすことがあります。
また、ターメリック(秋ウコン)は胃潰瘍、胃酸過多、胆道閉鎖症の人には禁忌とされます。
おわりに
夏の体調不良をサポートするスパイス6つをご紹介しました。紹介したスパイスはカレーに含まれるものも多くあります。風邪気味だとカレーが食べたくなるという人もいるみたいなので、体調が悪い時にこれが食べたい!と思った食材は体が求めているものとして積極的に接種したいですね。
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