「30代になって運動不足が気になり始めた…何から始めればいい?」や「30代になったら太りやすくなった…原因は?」と考えていませんか?
仕事や家庭の雑事、育児で多忙な30代は、運動不足を解消したいと思ってもなかなか時間を作ることが難しいものです。
疲れやすさやスタイルに悩んでいて「どうにかしたい」と思いながらも、何から手をつければいいのか分からない人はたくさんいるでしょう。
運動不足は、筋力の低下や肥満、便秘、膝の痛み、うつ病などのリスクを高めてしまいます。
なるべく自宅で運動不足を解消したいと思う方がいるかもしれませんね。
だからこそ、自宅でできる有酸素運動や筋トレを行って、運動不足を解消することが大切です。今回の記事では、自宅でできる有酸素運動に焦点を当てて紹介します。
さらに、運動を継続するためのコツや、運動する際の注意点もお伝えします。自宅で運動を始める際の参考にしてみてくださいね。
30代が感じる身体の変化|太りやすくなった原因は運動不足?
「30代になったとたんに、食べる量は同じなのに太りやすくなった」と感じたことはありませんか?
厚生労働省が行った『令和元年「国民健康・栄養調査」の結果』によると、BMIが25以上の「肥満者」の割合は30代を境に増加していることが分かりました。
では、なぜ30代の肥満が増加しているのでしょう。背景について、詳しく解説します。
30代の半数以上が運動不足
厚生労働省が行った『令和元年「国民健康・栄養調査」』の結果によると、運動習慣がある30代の割合は、男性が25.9%、女性が9.4%であることが発表されました。
調査結果によると、30代の半数以上が運動不足であることがわかりました。特に女性の運動不足が深刻です。
また、運動習慣が身に付かない理由として最も多く挙げられたのは、「仕事(家事や育児など)が忙しくて時間がない」という意見でした。特に、仕事や育児で忙しい30代にとって、これはまさに当てはまる問題でしょう。
しかし、30代の8割以上が「運動習慣の改善に関心がある」と回答しています。
「運動不足を解消したいけれど時間がない」と悩んでいる方は多いと考えられます。
参照:令和元年「国民健康・栄養調査」の結果/厚生労働省
17歳以降から基礎代謝が低下
日本人の基礎代謝は、15歳から17歳をピークにして、その後年齢を重ねるごとに減少する傾向があります。
基礎代謝が低下すると、消費するカロリーも少なくなります。その結果、若い頃と同じ食事を続けていると、運動量を増やさない限り、余分なエネルギーが消費されずに残ってしまいます。
余ったエネルギーは脂肪に変わるため、徐々に脂肪が蓄積されるのです。
加齢に伴う基礎代謝量の減少は、主に骨格筋量の減少によるものです。骨格筋とは、体を動かすための筋肉であり、運動によって強化される筋肉を指します。
運動を習慣にしていない30代の人が多い中で、基礎代謝の低下は避けられない問題といえるでしょう。
参照:加齢とエネルギー代謝/厚生労働省
30代はストレスを感じやすい年代
30代はストレスを感じやすい年代です。
実際に厚生労働省が行った調査の結果によると、「仕事や職業生活に関する強いストレスを感じた」と答えた割合は30代が64.4%であり、すべての年代の中で最も高いことがわかりました。
実際に、ストレスの増加は30代の体調に重大な悪影響を及ぼします。その原因は、ストレスを感じた時に分泌される「コルチゾール」というホルモンにあります。
コルチゾールは、肝臓で「糖の新生・たんぱく質の代謝・脂肪の分解」といった役割を果たし、身体にとって欠かせないホルモンである。
しかし、過度のストレスによりホルモンの分泌が慢性的に増加すると、生活習慣病が発生しやすくなり、筋肉量が減少し、脂肪が蓄積すると考えられています。
ストレスを感じる前に適度な休憩を取り、ストレスを蓄積しないことが重要です。
参照:労働者調査「仕事や職業生活における不安やストレスに関する事項」/厚生労働省
何から始める?30代におすすめ自宅でできる有酸素運動
「生活習慣病の予防」や「体力・筋力の向上」、「ストレスの軽減」に効果があるとされている運動。
普段から運動をする習慣がない方は、まず筋肉への負担が少ない有酸素運動から始めるのがおすすめです。
ここでは自宅でうるさくならないおすすめの有酸素運動をご紹介します。
ステップエクササイズ
ステップエクササイズは、主にステップ台を使用して行う有酸素運動の一種です。この運動は、主に下半身の筋肉を強化し、心臓血管機能を向上させるのに効果的です。ステップエクササイズでは、ステップ台の上下に足を動かすことで、有酸素運動を行います。通常は、特別な動作や装備が必要ないため、自宅でも手軽に実践できるのが特徴です。
ステップアップ(Step Up)
- ステップ台の前に立ちます。
- 右足を台の上に置きます。踵からつま先までしっかりと乗せます。
- 右足を使って台の上に全体重を移し、右足だけで立ち上がります。
- その後、左足も台の上に乗せ、両足でしっかりと立ちます。
- 元の位置に戻るときは、左足から台を降り、右足も後に続けます。
ステップダウン(Step Down)
- ステップ台の前に立ちます。
- 右足を台の上に置きます。つま先から踵までしっかりと乗せます。
- 右足を使って台から下ります。足首、ひざ、腰に負担をかけないように、柔らかく着地します。
- 左足も台から下り、元の位置に戻ります。
ポイント
- 動作を行う際には、ももをしっかり上げ、腕を振りながらゆっくりと繰り返すようにしてください。
- 少し息が上がる程度の強度で行いましょう。
- ステップエクササイズは前かがみになりやすく、膝に負担がかかる可能性があるため、背筋を伸ばした状態を維持するように意識しましょう。
- 台の高さや動作の時間、動作の速さを変えることで運動のきつさを調整できますので、まずは無理のない範囲で調整して取り組むと良いでしょう。
ランニング・ステップ
「ランニング・ステップ」は、ふくらはぎや太ももの筋肉を鍛えるのに効果的です。スペースを必要としないため、家庭でも簡単に実践できます。
準備姿勢(Ready Position)
- 直立姿勢で立ちます。
- 膝をわずかに曲げ、軽い弾みをつける準備をします。
- かかとを少し浮かせて腰を落とした姿勢を保ちましょう。
- 背筋を伸ばし、腕は体の横に自然に揺れるようにします。
ステップ(Step)
- 右足を前方に一歩踏み出します。
- 膝を曲げ、地面に足裏全体をしっかりと着地させます。
- 同時に、左足は地面から浮かせ、体を推進します。
スイング(Swing)
- 右足を着地させた瞬間、左腕を前方に振り出します。
- 同時に、左足は次のステップに備えて後ろに引きます。
交代(Alternate)
- 右足で一定の距離を走ったら、左足を前に踏み出し、同じ動作を繰り返します。
- リズムを保ちながら、交互に足を動かし続けます。
ポイント
- 上半身の力を抜いてリラックスし、最後まで一定のリズムで行うのがコツです。
- ランニングステップは横に移動しないので、狭いスペースでも実践できる運動です。
スイッチ・キック
比較的静かで、マンションなどの集合住宅に住んでいても続けやすい「スイッチ・キック」
寝ながら行うスイッチ・キックは、腹筋と下半身の筋力を鍛える効果があります。
準備姿勢(Ready Position)
- 仰向けに寝ます。
- 肩や頭をマットやクッションに預け、快適な姿勢をとります。
- 腕は体の横に広げて、手のひらを下に向けます。
スイッチ(Switch)
- 右足を使って、膝を曲げずに直接前方に伸ばします。
- 同時に、左足を体の中心に引き寄せます。左膝は胸の近くまで持ってきます。
着地(Land)
- 右足を元の位置に戻し、左足を前方に伸ばします。
- 同時に、右足を体の中心に引き寄せます。右膝は胸の近くまで持ってきます。
繰り返し(Repeat)
- 交互に足を動かし続け、連続的にスイッチ・キックを行います。
- 腹筋を意識して、背中がマットから離れないようにします。
- 呼吸を整えながら、一定のリズムを保ちます。
ポイント
- 仰向けの姿勢で、両手と両足を床に置き、両手両脚で体重を支えながら、お尻を持ち上げます。
- この姿勢を保ちながら、左右交互に脚を高く蹴り上げます。
- この際、蹴り上げる脚をなるべく伸ばし、お尻が下がらないように意識することが重要です。
ラジオ体操
子供の頃に一度はやったことがある方も多いかもしれないラジオ体操。
1928年に厚生省(現在の厚生労働省)によって制定され、日本の国民の健康増進や体力向上を目的として、ラジオやテレビなどのメディアを通じて指導される体操のことです。
ラジオ体操第1とラジオ体操第2に分かれています。
ラジオ体操第1は幅広い世代を対象に作られており、「全身振動法」とも呼ばれ、全身の筋肉をゆるめるための運動です。
最初は第1の体操から始めるのがおすすめです。
慣れてきたら、第1の体操よりも運動量が多く、動きも大きい第2の体操を行っていきましょう。
ラジオ体操は立って行うことも、座って行うこともできるので、自分の体力や体調に応じて実践してみてください。
毎日、ラジオやテレビで放送されていますが、インターネットの動画を利用すれば、自分の好きなタイミングで動きを確認しながら行うことができます。
ラジオ体操の詳細なやり方については、「NPO法人 全国ラジオ体操連盟」のウェブサイトで公開されています。
ポイント
ラジオ体操第1は、日々のストレスや疲れを癒すだけでなく、起床後や仕事の合間などに行うことで、体の血行を促進し、体調を整える効果が期待できます。
自宅で運動不足を解消するためにはどうしたらいい?
「運動不足を解消したいけれど、なかなか続けるのが難しい……」と感じている方もいるでしょう。
日常生活の中で運動を取り入れるのが難しい場合は、「ながら運動」を試したり、友人と一緒にトレーニングすることで、モチベーションを保ちやすくなると思います。
このセクションでは、自宅で運動不足を解消するためのポイントをご紹介します。
また、自宅で運動を行う際の注意点もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
① ながら運動を取り入れる
日常生活の中で運動する時間が取れない場合、「ながら運動」を取り入れることで運動不足を解消することができます。
「ながら運動」とは、日常のさまざまな動作の合間に、軽い運動を取り入れることを指します。この方法は、仕事や子育てで忙しい人でも簡単に取り入れられ、習慣化しやすい運動として知られています。例えば、歯を磨きながらかかとを上げたり、テレビを見ながらスクワットを行ったり、入浴中にストレッチをすることができます。
さらに、料理中に背筋を伸ばしたり、洗濯物を干すときに体をひねるなど、家事をしながらも運動を取り入れることができます。ちょっとした隙間時間を利用して、「ながら運動」を取り入れることで、運動習慣を身につけることができます。
② 大きな音を出さないように気を付ける
アパートやマンションにお住いの方は、運動中に大きな音を立てないように留意することが重要です。トレーニング中に大きな音が発生すると、下の階や隣の住人に迷惑をかける可能性があります。運動する際は、衝撃を和らげるためにマットを使用したり、深夜に走ったりしないように注意し、周囲の方々への配慮を忘れないようにしましょう。自宅で快適に運動を続けるために、環境を整えることも大切ですので、心がけてください。
③ 無理のないペースで継続する
自宅で運動不足を解消するには、自分のペースで無理なく続けることが鍵です。運動を始めたものの、途中で挫折してしまう人も多いでしょう。その理由の一つに、運動を休んだ際に自分を厳しく責めてしまうことが挙げられます。自己嫌悪に陥るとストレスがたまり、運動へのモチベーションが低下してしまう可能性があります。仕事や育児の忙しさで運動できない日もあるかもしれませんが、1日くらい休んだとしても大丈夫だと自分に許しを与え、気楽に運動を続けることが大切です。
④ 仲間と一緒にトレーニングをする
運動不足を解消するためには、家族や友人と一緒にトレーニングすることが鍵となります。
一人で運動するのがつまらなくて続けられないと感じる人もいるでしょう。しかし、仲間と一緒に活動することで、お互いに励まし合いながら運動の習慣を維持しやすくなります。家族と一緒に住んでいる場合は家族を誘ったり、一人暮らしの人はオンラインで一緒にトレーニングするパートナーを見つけることができます。もし仲間が見つからない場合は、友人やSNSでトレーニングしていることを共有することで、続けやすくなるでしょう。仲間と一緒にトレーニングすることで、運動を楽しみながら続けることができますね。
おわりに
自宅で運動不足を解消したい忙しい30代に向けて、有酸素運動やながら運動のおすすめを紹介しました。また、30代が感じる身体の変化や肥満の原因、そして仕事や家事に忙しい中での運動習慣の難しさについても触れました。
自宅での運動を始めることは、健康への第一歩。
忙しい日々の中でも、自分の身体と向き合う時間を作ることはとても重要です。
運動不足を解消し、健康な身体を手に入れるために、ぜひ今日から始めてみましょう!
自宅でできる運動を取り入れることで、ストレスも解消され、心身ともにリフレッシュできます。
さあ、一歩踏み出して、健康な生活を手に入れましょう!