咀嚼音をたてて食べる「クチャラー」に加えて「ススラー」という言葉があるのをご存知ですか。
ススラーとは、いわゆる食べ物を吸うように食べる人のことで、気持ち悪いと感じる人も多いです。
この記事ではススラーになる原因と、気持ち悪いと言われる理由や治し方を解説します。

ススラーとは
「ススラー」とは、食べるときに音を立ててすすってしまう人を指す言葉です。
日本では、ラーメンや蕎麦などの麺類をすすることが習慣化しているため一部許容されてきましたが、最近では「周囲に不快感を与える」と指摘されるケースも増えています。
また、外国では音を立てて食べることが無作法とされることが多く、グローバル化の影響で食事のマナーについて再考されているのもススラーという言葉が生まれた背景のひとつかもしれません。
ススラーになる原因
ススラーになる主な原因は、家庭環境や身体的な理由、食具の使い方が苦手といったものが考えられます。
具体的な内容は以下で解説するので、ススラーになる原因を探り当てるときの参考にしてください。
家庭環境
ススラーになる原因のひとつは、家庭環境です。
親や周囲の人が音を立てて食べているのを見て育った子供は、当然その影響を受けやすくなります。
特に家庭内ですすって食べる行為に対する指摘がなかった場合、無自覚のうちに癖として定着する可能性が高いです。
また社会で指摘されることは少ないため、自分の行動が他人に不快感を与えていると気づくタイミングがない可能性もあります。
自覚をしても一度習慣になってしまった行為を変えるのは難しく、結果的にススラーの状態が続いているかもしれません。
スプーンや箸を使うのが苦手
ススラーになる原因の1つが、スプーンや箸を使うのが苦手ということです。
スプーンや箸を使うのが苦手だと、食べ物を口まで運ぶのが難しく、口を食べ物に近づけて吸うように食べてしまうケースが考えられます。
呼吸の問題
口呼吸をしている人は、無意識に口を開けてしまい、音を立てやすくなる傾向があります。
鼻炎や副鼻腔炎などの影響で鼻呼吸が難しくなり、口を開けて食べることでススラーになるケースも多いです。
特にアレルギー性の鼻炎や慢性副鼻腔炎は鼻が詰まっている期間が長いため、すすることが癖になっているかもしれません。
ススラーが気持ち悪いと言われる理由
ススラーが気持ち悪いと言われる一番の理由は、食事中に音を立てることが食事のマナー違反と見なされるからです。
特に、食べ物をすする音は大きいため、どうしても耳につき、無意識に嫌悪感を抱かせてしまいます。
また日本の食事のマナーにおいて、蕎麦やラーメン以外の料理をすすって食べることは原則的に許容されていません。
そのため他者との食事中にマナー違反をするのは他者への配慮が欠けていると受け取られ、嫌悪される原因になります。
ビジネスシーンやデートの場面では「大人としての最低限のマナーが守られていない」と判断され、相手に悪い印象を与える可能性も高いです。
ススラーの治し方
ススラーは習慣からきていることが多く、治すのは容易ではありません。
ですが自覚を持ち、食べ方に注意を向けることで徐々に改善できる可能性があります。
以下で具体的な治し方を解説するので、参考にしてください。
鼻呼吸を習慣づける
鼻炎などで日頃から口を開けて過ごしがちな人は、耳鼻咽喉科などで診察を受けて治療しましょう。
また市販の鼻うがいの利用や、部屋の加湿なども有効です。
口呼吸が癖になっている場合は鼻呼吸を意識して過ごし、就寝中は口を閉じるテープを使うことも検討してみてください。
姿勢を正す
食事中の姿勢も大切です。
椅子に深く座って背筋を伸ばすことで自然と口が閉じやすくなり、音を立てずに食べられるようになります。
正しい姿勢を意識することは、マナーとしても重要です。
歯科矯正や口周りの筋トレ
歯並びや噛み合わせが原因でススラーになっている場合、歯科矯正が有効です。
また、舌や口の筋肉を鍛える「あいうべ体操」も音を抑える効果が期待できます。
意識的に音を立てないよう心がける
ススラーを治すには、まず自覚を持つことが重要です。
食事のたびに、すすらないように意識を向けることで徐々にすすり食いの癖をやめられるようになります。
特にススラーは口を食器に近づける人が多いので、箸やスプーンを使って食べ物を口に運ぶことを心がけましょう。
まとめ
ススラーの原因は、習慣や身体的要因、呼吸の癖など多岐にわたります。
音を立てる食べ方は他人に不快感を与えることがあり、特にビジネスやデートの場面では注意が必要です。
ススラーは自覚を持つことで脱却できるので、食事中はすすらないように意識を向けましょう。