大相撲夏場所で2場所連続優勝を達成し、初土俵から所要13場所という史上最速での横綱昇進を確実にした大の里。5月25日の千秋楽後、茨城・つくば市内のホテルで開催された二所ノ関部屋のパーティーでは、多くのファンや後援者から盛大な祝福を受けました。24歳の若さで日本出身横綱となる大の里の偉業と、祝賀会の感動的な様子をお届けします。
記事のポイント
- 初土俵から13場所で横綱昇進は史上最速
- 5月25日につくば市内でパーティー開催
- 28日伝達式、30日に横綱土俵入り披露
大の里横綱昇進パーティーの開催概要と感動の瞬間
大相撲夏場所千秋楽となる5月25日、茨城県つくば市吾妻のホテルで二所ノ関部屋の千秋楽パーティーが盛大に開催されました。14勝1敗の成績で夏場所を制し、史上最速の横綱昇進を確実にした大の里が両国国技館から駆けつけると、会場は一気に熱気に包まれました。午後7時半過ぎに大の里が姿を現すと「おめでとう」の声が飛び交い、集まったファンや後援者から割れんばかりの拍手で迎えられる感動的な瞬間となりました。
この日のパーティーには二所ノ関部屋の後援会員を中心に多くの人が詰めかけ、歴史的な瞬間を共に祝いました。「茨城を盛り上げて」と地元からの期待の声も多数聞かれ、大の里の快挙が地域に与える影響の大きさを感じさせました。24歳で横綱に昇進することになる大の里は、師匠である二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に続く日本出身横綱として、多くの期待を背に祝福を受けました。
大の里は「長い15日間が終わった。おかげさまで4度目の幕内優勝をすることができた」と感謝の言葉を述べ、今場所を振り返り「場所中は心の余裕がなく、『いける』と感じなかったことが逆に良かったのかもしれない。一日一番、目の前の相手に集中できたことが結果につながった」と話しました。特に、今場所前の春巡業でつくば市を含む県内3カ所を訪れ、「たくさんのファンと触れ合えたので、いい結果を見せたい」と誓った中で、最高の結果を出せたことへの喜びを語りました。
パーティー会場の様子とファンの反応
パーティー会場となったつくば市内のホテルは、大の里の快挙を祝うファンや後援者で賑わいました。阿見町の後援会員である小山武芳さん(59)は「この間までまげを結えないざんばら髪だったのに、もう横綱。本当にすごい」と大の里の急成長に目を細めました。小山さんは二所ノ関部屋開設時からの後援会会員で、町内でカフェを営み、所属力士も食べに来るといいます。この喜びを共有するため、「大の里さん 優勝おめでとう」と書かれたシールを貼ったアーモンドチョコレートをパーティー会場に持参し、部屋関係者に配って祝意を表しました。
つくば市に住む須藤里菜さん(31)は「全勝優勝を逃したのが残念だが、横綱になって達成してほしい」と期待を寄せ、桜川市から参加した嶺充夫さん(63)は「大の里の活躍を見て元気をもらえた。今場所の堂々とした姿は印象的だった。偉大な横綱になってほしい」と声を弾ませました。会場内では他にも多くのファンが大の里の活躍を讃え、記念撮影を求める姿も見られました。
大の里本人も「重圧を深く捉えることはなく、巡業でたくさん『綱とり』『横綱』などと声をかけてもらった。耳が慣れて、全く動じることなく場所に入ることができたことが良かった」と振り返り、ファンの声援が支えになったことを明かしました。彼の優勝と横綱昇進が確実になった知らせは、つくば市を中心とした茨城県全体に喜びをもたらし、地元の誇りとして多くの人々の心を動かしています。
大の里と二所ノ関親方のスピーチ内容
パーティーの冒頭で二所ノ関親方は「2場所連続優勝をすることができました」と報告し、会場から大きな拍手が送られました。千秋楽に豊昇龍に敗れ全勝優勝を逃したことについて「またこの悔しさも次のステージにつながる。そこででっかくなるのかなと思う」と語り、会場の笑いを誘いました。
二所ノ関親方は場所前の稽古について「私も胸を1回出したんですけど、太刀打ちできないぐらい、だいぶ仕上がっておりました」と振り返り、「胸を出すと、強さがよくわかるんですけど、この場所は体に隙がないような気がした。差し込もうとしてもなかなか差し込めないですし、力を出そうと思ってもなかなか力を殺されてしまうというような、そんないい稽古ができて、太鼓判を押して『今場所はいいぞ』と本人にも言いました」と、万全の状態だったことを明かしました。「その結果が、稽古はうそをつかないと言いますが、そのような結果になった」とし、「皆さまの応援のおかげが一番あると思います」と感謝を述べました。
大の里も「場所中は心の余裕がなく、『いける』と感じなかったことが逆に良かった」と振り返り、「一日一番、目の前の相手に集中できたことが結果につながった」と語りました。また、石川県出身の大の里は「偶然にも、大関昇進を決めたのも(輪島と同じ)9月場所、横綱を決めたのも5月場所。学生出身も石川県からも、横綱は輪島さん以降は出ていない。目標として頑張っていきたい」と喜びを表現しました。さらに、能登半島地震で被災した故郷への思いを「小さな体育館に300人ぐらい集まって、涙を流して喜んでくれた人もいた。少しでも明るい話題を届けて、元気になってもらいたかった」と語り、会場からは温かい拍手が送られました。
参考:【茨城新聞】大の里 集中全う 横綱昇進確実 「支援に感謝」 茨城・つくばで祝賀会|茨城新聞クロスアイ
史上最速の横綱昇進と大の里の驚異的な頑張り
大の里の横綱昇進は、数々の記録を塗り替える驚異的なスピードで達成されました。初土俵から所要13場所での横綱昇進は、横綱が番付上の地位として明文化された明治42年以降で最も速い記録です。年6場所制となった昭和33年以降で比較しても、同じ石川県出身で幕下付け出しでデビューした輪島の21場所、朝青龍の25場所、曙の30場所を大きく更新する記録となりました。
また、新入幕から所要9場所での横綱昇進は、昭和33年以降では昭和の大横綱・大鵬の11場所を抜いて最も速い記録となります。これまで幕下付け出しから最速で優勝したのは元横綱輪島の15場所目でしたが、大の里は初土俵から7場所目で初優勝を達成し、この記録も大幅に更新しました。
大の里は初土俵から4場所での新入幕も、昭和以降では3番目に速いスピード出世でした。そして初土俵から所要9場所での大関昇進は昭和以降で最も速い記録です。今場所の優勝は自身4回目、そして大関として2場所連続の優勝となりました。このような驚異的な頑張りで、大の里は相撲界に新風を巻き起こしています。
大関昇進の伝達式で「唯一無二の力士を目指し相撲道に精進します」と述べた大の里は、まさに唯一無二のスピードと実力で横綱の座を射止めることとなりました。日本出身力士の横綱昇進は、師匠である二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が平成29年の初場所後に昇進して以来、8年ぶりとなります。
大の里の横綱昇進までの道のり
大の里は石川県津幡町出身の24歳で、身長192センチ、体重191キロの恵まれた体格を持ちます。小学校卒業後、新潟県糸魚川市に「相撲留学」し、朝早くから夜遅くまで及ぶ稽古で、多いときには1日100番以上相撲を取るなど、高校までの6年間、厳しい稽古に励みました。海洋高校での経験が彼の相撲の礎を築き、その後日体大に進学して2年連続でアマチュア横綱に輝くなど、数々のタイトルを獲得しました。
大学卒業後の2023年5月の夏場所で幕下10枚目格付け出しとして初土俵を踏んだ大の里は、おととしの秋場所で新十両への昇進を果たすと、力強い立ち合いから大きな体を生かした前に攻める相撲を持ち味に2場所続けて12勝3敗のふた桁勝利を挙げ、去年の初場所で新入幕を果たしました。
去年の春場所では千秋楽まで優勝争いに加わり、続く夏場所では初日に横綱・照ノ富士から初白星を挙げるなど勝利を重ね、12勝3敗の成績で初優勝を達成しました。さらに去年の秋場所で13勝2敗の成績で2場所ぶり2回目の優勝を果たし、場所後に大関に昇進しました。
大関昇進後の2場所は優勝争いに絡むことができませんでしたが、今年の春場所で12勝3敗でならんだ高安との優勝決定戦を制し、自身3回目、大関として初めての優勝を果たしました。そして今場所、綱とりに挑んだ大の里は13日目に優勝を決め、最終的に14勝1敗の好成績を収めました。
このような着実なステップアップと目覚ましい成績によって、大の里は横綱昇進を確実なものとしました。彼の相撲スタイルは右差し、左のおっつけを基本としており、今場所はさらに体重を増やし191キロという幕内最重量級の体格を生かした圧倒的な馬力も武器に加わりました。
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注目の横綱昇進決定プロセスと伝達式
大の里の横綱昇進に向けた正式なプロセスは、夏場所千秋楽後から始まりました。日本相撲協会審判部の高田川部長(元関脇安芸乃島)が、大の里の横綱昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、了承されました。
26日には横綱審議委員会(横審)が開催され、大の里の横綱昇進について審議されました。横綱審議委員会には、横綱に推薦する条件として「大関で2場所連続優勝かこれに準ずる成績」という内規があり、過去に2場所連続優勝した力士が横綱に昇進できなかった例はありません。予想通り、横審では満場一致で大の里の新横綱推薦が決まりました。
28日には番付編成会議と臨時理事会が開かれ、正式に「第75代横綱 大の里」が誕生します。同日、茨城県阿見町の二所ノ関部屋では昇進伝達式が行われる予定です。この伝達式では、日本相撲協会から使者が派遣され、大の里に横綱昇進を伝えます。大関昇進時に「唯一無二」と述べた大の里が、どのような言葉で使者に応えるのか、その口上が大きな注目を集めています。
千秋楽パーティーで二所ノ関親方は「いい報告が来週の水曜日あたりにできると思う」と期待を込めて話しており、この言葉通り28日の伝達式で正式な横綱昇進が宣言されることになります。また、30日には横綱土俵入りが披露される予定で、大の里の晴れ姿を一目見ようと多くのファンが集まることが予想されます。
横綱昇進後のイベントスケジュール
大の里の横綱昇進が正式に決まった後のスケジュールは以下の通りです。28日(水)に茨城県阿見町の二所ノ関部屋で横綱昇進伝達式が行われ、その様子は全国のメディアで報道される見込みです。伝達式では大の里が横綱としての口上を述べることになり、大関昇進時の「唯一無二の力士を目指し相撲道に精進します」という言葉に続く、どのような口上となるかに注目が集まっています。
伝達式の2日後となる30日(金)には、横綱土俵入りが披露されます。横綱土俵入りには「不知火型」と「雲龍型」の2種類があり、大の里がどちらを選択するのかも関心の的です。多くの日本出身横綱は「不知火型」を選択する傾向がありますが、二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「雲龍型」を選んでいたため、師匠の型を受け継ぐのか、別の道を選ぶのかにも注目が集まります。
さらに、今後は地元・茨城県や出身地の石川県での祝賀会なども企画される可能性があります。特に石川県では、昨年元日に発生した能登半島地震からの復興の象徴として、大の里の活躍に大きな期待が寄せられています。大の里自身も被災地訪問の経験を「小さな体育館に300人ぐらい集まって、涙を流して喜んでくれた人もいた」と振り返っており、今後も復興支援に関わっていくことが予想されます。
また、次の名古屋場所(7月13日初日)では横綱として初めての本場所となり、その成績にも大きな注目が集まります。二所ノ関親方は「お祝いムードも1週間くらいにして、名古屋に向けてまたしっかり稽古をつけていきたい」と語っており、横綱としての初場所に向けた準備も着々と進められています。
二所ノ関親方が語る横綱・大の里へのさらなる期待と精進
二所ノ関親方は千秋楽パーティーで「まだまだ進化途中で、これで終わりではない。きょうの千秋楽での負けを今後の人生においてプラスにして、この負けがあるから今の自分があると何年か先に言えるような力士になってほしい」と熱く語りました。千秋楽の豊昇龍戦での敗戦を振り返り「豊昇龍にだいぶ遊ばれている感じがあった。そこを根こそぎ持っていけるぐらいのパワーもつけなくちゃいけない」と指摘し、「あの負けがあったから今の自分がある、となればいい」と一層の精進を促しました。
「横綱が稽古終わりにしこを踏んで、一生懸命稽古する姿も必要で、それに引っ張られる若手もたくさんいるので、相乗効果で相撲界を盛り上げるように稽古してほしい」と横綱としての姿勢についても期待を述べました。二所ノ関親方自身、横綱として89場所を要した経験から「自分の苦い経験がたくさんあったからこそ、教えられることも多かった。今場所は心技体が一つになった」と評価しました。
二所ノ関部屋は阿見町に部屋を構えてもうすぐ丸3年、「横綱から横綱を」を理念に指導に当たってきた師匠の思いが実を結び、弟子が自身よりも速いペースで横綱に昇進する快挙となりました。師匠として愛弟子の成長を見守り、導いてきた二所ノ関親方の指導力も高く評価されています。
師匠が語る横綱としての心構え
「もっとしっかり自力をつけて威力を増して、体の芯の強さが必要で、根こそぎ持っていくくらいの力も必要になる」と二所ノ関親方は大の里の今後の課題を指摘しました。「お祝いムードも1週間くらいにして、名古屋に向けてまたしっかり稽古をつけていきたい」とさらなる奮起を促し、横綱としての責任と期待に応える力士になることを期待しています。
二所ノ関親方は自身の横綱としての経験から、その重圧や責任の重さをよく理解しています。「横綱になれば勝って当たり前で、すべて厳しく見られるし、生活面でも品格を持たないといけない。大変な立場になる」という厳しい現実を踏まえつつも、「彼の場合は立場が性格を作るので、国民に愛される横綱になると思う」と中学・高校時代の恩師も大の里の人間性を評価しています。
師匠は大の里の相撲の進化についても「序盤5日間の入りがよくて、先場所負けた相手に一気に前半で当たって流れをつかんだ。一日一日の集中力があったし、立ち合い集中できていないのは、今場所は一番くらいで修正できていて、その結果が出た」と分析し、技術面での成長も感じていることを明かしました。
二所ノ関親方自身が横綱として苦労した経験があるからこそ、大の里には早い段階からその心構えを学ばせ、相撲だけでなく横綱としての品格や責任も意識させてきました。その結果、24歳という若さで横綱に昇進しても、その重責を担う準備が整っていると確信しています。「自覚ある行動を取って頑張りたい」という大の里の言葉に、師匠の教えが反映されています。
八角理事長と高田川審判部長の評価
日本相撲協会の八角理事長は、横綱昇進を確実にした大の里について「立ち合いで慌てることが少なくなった。踏み込みさえすれば、相手は押せない。そして、相手を見ながら突っ込んでくる相手には、見て受けてから前に出る。ここの安定感が出てきたが伸びしろも感じる」と評価しました。千秋楽の結びの一番については「もう何回か突いて、相手との距離を離したかった。全勝は難しい」と分析しつつ、「口で引っ張るのではなく、稽古をしている姿を率先して見せて引っ張ってもらいたい。豊昇龍とともに、2人の名前を取った時代をつくってほしい」と期待を込めました。
高田川審判部長は、大の里の横綱昇進に向けた臨時理事会の招集を要請したことについて「満場一致だった」と述べ、「言うことはないと思う。強かったのひとことだ。きょうは負けたが、来場所が楽しみ」と評価しました。さらに「強い大の里を見せてくれればいい。前に出て圧倒的な力でねじ伏せる横綱になってくれると思う」と期待を寄せました。
相撲界の重鎮たちからもその実力を高く評価され、期待される大の里。特に注目されるのは、「伸びしろも感じる」と八角理事長が指摘したように、まだ24歳という若さで横綱に昇進するため、今後さらに成長する可能性が高い点です。「圧倒的な力でねじ伏せる横綱」という言葉通り、相撲ファンの期待に応える強さを見せることができるかが今後の焦点です。
大の里と同時代に活躍する横綱・豊昇龍との関係性も注目されています。八角理事長が「豊昇龍とともに、2人の名前を取った時代をつくってほしい」と語っているように、この2人の横綱による新時代の到来が期待されています。千秋楽では豊昇龍に敗れた大の里ですが、今後はライバル関係を築き、互いを高め合っていくことで相撲界をさらに盛り上げていくことが期待されています。
大の里自身の決意と抱負
大の里は今後について「相撲を始めたときからの夢に手が届いたことはうれしいし、責任感が出てくる。自覚ある行動を取って頑張りたい」と決意を語りました。横綱昇進が確実になったことについて「臨時理事会が開かれる水曜日にいい知らせが聞けるように待ちたい。来場所も大事な場所になってくると思うので、しっかりと準備をして、いい場所を過ごせるように頑張りたい」と抱負を述べました。
今場所の相撲内容については「最初の5日間が大事だと思っていて、そこがよかったので、いい流れを作ることができて白星につながったと思う。中盤戦以降も落ち着いて相撲を取ることができたし、自分のよさがたくさん発揮できてよかった」と手応えを語りました。また、地元の石川に向けては「地元の巡業でたくさん声援を頂いたので、優勝を届けることができて本当によかった」と話し、能登半島地震で被災した故郷への思いを「少しでも明るい話題を届けて、元気になってもらいたかった」と語りました。
大の里は、石川県出身の横綱の誕生は輪島以来、52年ぶり3人目となり、学生出身の力士が横綱に昇進するのは輪島以来、2人目という記録も達成しました。大の里自身も「偶然にも、大関昇進を決めたのも(輪島と同じ)9月場所、横綱を決めたのも5月場所。学生出身も石川県からも、横綱は輪島さん以降は出ていない。目標として頑張っていきたい」と先輩横綱への敬意を示しています。
今場所前の測定では体重が8キロ増えて191キロとなり、幕内最重量となりました。大の里自身は「体重も太ったけど動けるし、3、4キロくらい落ちてきて体も変わってきている」と調整の様子を語っており、大きくなった体を稽古で追い込んで絞りながら、最高のコンディションで本場所に挑んだことがわかります。こうした細部にまでこだわる姿勢が、若くして頂点に立つ要因の一つと言えるでしょう。
まとめ|大の里横綱昇進パーティーで感じた期待と感謝
大の里の史上最速の横綱昇進を祝う二所ノ関部屋の千秋楽パーティーは、多くのファンと後援者にとって忘れられない感動の瞬間となりました。5月25日、茨城・つくば市内のホテルで開催されたこの祝賀会では、大の里が支援への感謝を述べるとともに、横綱としての決意を新たにする姿が印象的でした。初土俵から所要13場所という驚異的なスピードで横綱昇進を果たすという偉業の陰には、二所ノ関親方の指導力と大の里自身の努力、そして多くの支援者の存在があったことが伝わってきます。
28日の伝達式、30日の横綱土俵入り披露と、今後も注目の行事が続きます。二所ノ関親方の「まだまだ進化途中」という言葉どおり、大の里はこれからも成長を続け、日本相撲協会の八角理事長が期待する「豊昇龍とともに、2人の名前を取った時代」を築いていくことでしょう。また、地元茨城県や出身地の石川県の人々にとって、大の里の活躍は大きな希望と誇りをもたらしています。特に能登半島地震からの復興に取り組む石川県民にとって、52年ぶりとなる地元出身横綱の誕生は格別の喜びとなるはずです。
「唯一無二の力士」を目指す大の里の横綱としての今後の活躍に、相撲ファンの期待はさらに高まっています。二所ノ関親方も「横綱が稽古終わりにしこを踏んで、一生懸命稽古する姿も必要」と語るように、稽古に励み、相撲界を牽引する姿こそが、多くの人を感動させ、次世代の力士たちに希望と誇りを与えることでしょう。