恐竜たちの圧倒的な存在感と迫力のアクションで世界中を魅了してきた『ジュラシック・パーク/ワールド』シリーズ。2025年8月公開予定の最新作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』はシリーズ内でどのような位置づけなのでしょうか?本作を観る前に知っておきたい前作との繋がりや重要ポイントを徹底解説します。シリーズ第7作目となる本作が、なぜ「新章」と呼ばれているのか、どの作品を事前に観ておくべきかがわかります。
記事のポイント
- 『復活の大地』はシリーズ第7作目で完全新章
- 前作から5年後の世界を描く独立した続編
- スカーレット・ヨハンソンが初の女性主人公
- 過去作品のオマージュとともに新たな恐竜が登場
- インジェン社の秘密施設が舞台の新展開
ジュラシック・ワールド復活の大地はシリーズ第7作目|新章始動の位置づけを解説

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022年)から3年後の2025年8月8日(金)に公開される映画シリーズの第7作目です。本作はシリーズの時系列では2022年公開の『新たなる支配者』から5年後の世界を描く「独立した続編」という位置づけになります。『ジュラシック・ワールド』シリーズの第4作目にあたり、『ジュラシック・パーク』から始まった全シリーズでは第7作目となる重要な作品です。
前作『新たなる支配者』では、クリス・プラット演じるオーウェン・グレイディやブライス・ダラス・ハワード演じるクレア・ディアリング、そして初代『ジュラシック・パーク』からサム・ニール演じるアラン・グラント博士、ローラ・ダーン演じるエリー・サトラー博士、ジェフ・ゴールドブラム演じるイアン・マルコム博士が登場し、豪華共演によるシリーズの「完結編」として描かれました。しかし、『復活の大地』では彼らの物語は一旦終了し、全く新しいキャスト陣によって次の時代の物語が展開されるのです。
本作の監督は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』や『ザ・クリエイター/創造者』で知られるギャレス・エドワーズが務めます。脚本には、『ジュラシック・パーク』と『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』を手がけたデヴィッド・コープが28年ぶりにシリーズに復帰。さらに製作総指揮にはスティーヴン・スピルバーグが名を連ね、シリーズの根幹を支えるスタッフが揃っています。
キャストには、MCU「アベンジャーズ」シリーズのブラック・ウィドウ役で知られるスカーレット・ヨハンソンが『ジュラシック』シリーズ初の女性主人公として秘密工作員ゾーラ・ベネットを演じます。共演には『ムーンライト』や『グリーンブック』でアカデミー賞を受賞したマハーシャラ・アリ、Netflixの人気ドラマ「ブリジャートン家」や映画『ウィキッド ふたりの魔女』で知られるジョナサン・ベイリー、『アステロイド・シティ』のルパート・フレンドら実力派俳優が名を連ねています。
新たなキャストとクリエイターによる新境地が「新章」と呼ばれる所以であり、これまでのシリーズを継承しながらも、全く新しい『ジュラシック』ワールドが始まるのです。シリーズ全体の累計興行収入9400億円を超える世界的大ヒット作の続編として、新たな物語の幕開けがどのような展開を見せるのか、多くのファンが期待を寄せています。
ジュラシック・ワールド復活の大地と前作との繋がり|ストーリーとタイムラインを紐解く
前作から5年後の世界を描く新たな物語
『ジュラシック・ワールド/復活の大地』のストーリーは、前作『新たなる支配者』で描かれた出来事から5年後の世界が舞台となります。前作では、企業バイオシンによって違法に飼育・研究されていた恐竜たちが解放され、世界中に散らばった恐竜と人間が共存する世界の始まりが描かれました。しかし『復活の大地』では、その共存の結果として地球の生態系のバランスが破壊されてしまったことが明らかになります。
現代の環境は恐竜たちにとって生活しづらいものとなり、生き残った恐竜たちは、かつて自分たちが繁栄していた環境に近い熱帯地域の隔離された場所に生息するようになっています。特に赤道直下のエリアは、恐竜たちにとって生存可能な数少ない地域となっています。この設定は、前作で示された「恐竜と人間の共存」というテーマがどのように発展したのかを物語るもので、人間の介入による生態系の変化という現実世界の環境問題とも重なる部分があります。
インドミナスレックスやインドラプトルといった過去作のハイブリッド恐竜から一転、本作では自然界の恐竜たちに焦点が当てられる展開となるようです。この変化は、シリーズ初期の『ジュラシック・パーク』の雰囲気に回帰する意図があるかもしれません。脚本家デヴィッド・コープの復帰も、そのような方向性を示唆しています。
陸・海・空の三大恐竜に秘められた救命効果
本作のストーリーの核心は、陸・海・空の三大恐竜からDNAサンプルを採取するという極秘ミッションです。主人公ゾーラ・ベネットが率いるチームは、パーカー・ジェニングスという製薬会社に雇われ、ティタノサウルス(陸)、ケツァルコアトルス(空)、モササウルス(海)という三種の恐竜からDNAを採取する任務に挑みます。
これらの恐竜のDNAが人類に奇跡的な救命効果をもたらす薬の鍵を握っているとされ、特に大型の恐竜を狙うのは回復力があり、より柔軟なワクチンを作れる可能性があるからだとされています。この設定は、現実世界でも動植物の遺伝子から新薬を開発する研究が進められていることを反映しており、SF要素と現実の科学をうまく融合させています。
恐竜のDNAを利用した医学的発見というテーマは、『ジュラシック・パーク』シリーズの初期から存在するもので、こうした形で物語に組み込まれることでシリーズ全体の連続性を保ちつつ、新しい視点を提供しています。
インジェン社の秘密施設がある禁断の島
物語が大きく動き出すのは、ゾーラたちのチームがモササウルスからDNAを採取しようとしている時に3匹のスピノサウルスの襲撃を受け、船が転覆するシーンからです。彼らは一般人の家族とともに近くの島に漂着しますが、その島はジョン・ハモンドのインジェン社が『ジュラシック・パーク』を建設する前に恐竜造りの実験場として使用していた秘密の島であることが判明します。
この設定は、シリーズの核心に触れる重要な要素です。『ジュラシック・パーク』シリーズでは、イスラ・ヌブラル(サイト A)とイスラ・ソルナ(サイト B)という二つの島が主要な舞台となっていましたが、本作では第三の島が登場することになります。インジェン社がかつて恐竜の造成に失敗し、実験施設もろとも放棄した島には、何十年にもわたって繁栄してきた失敗作や突然変異した恐竜たちが生息していたのです。
この設定により、これまで描かれてこなかったインジェン社の裏の歴史や、初期の恐竜復元研究の暗部に光が当てられることになります。同時に、新たな恐竜の種類や突然変異体が登場する根拠も提供しており、シリーズに新鮮な要素をもたらしています。
ジュラシック・パークへのオマージュ
『復活の大地』には、『ジュラシック・パーク』シリーズへの多くのオマージュが散りばめられています。予告編からも、初代『ジュラシック・パーク』を彷彿とさせるシーンや演出が多数確認できます。これは単なる懐古趣味ではなく、シリーズの原点に回帰することで、新たなファンと長年のファンの両方に訴求する狙いがあると考えられます。
特に注目すべきは、『ジュラシック・パーク3』以来の復活となるスピノサウルスの登場です。ただし今回のスピノサウルスは、最新の古生物学的研究に基づいて四足歩行で遊泳する姿にデザインが変更されており、前回登場時とはかなり異なる姿となっています。このような科学的知見の更新を反映させる姿勢も、シリーズの特徴と言えるでしょう。
また、賢く獰猛なラプトルや巨大なモササウルス、縦横無尽に空を舞うケツァルコアトルス、エリマキが特徴的なディロフォサウルスなど、シリーズでおなじみの恐竜たちも登場します。さらに、本作で初登場となる大型草食恐竜ティタノサウルスなど新たな恐竜も加わり、多彩な恐竜たちによる迫力のアクションシーンが期待できます。
この「新旧混合」のアプローチは、シリーズの継続性を保ちながらも新鮮さを提供する絶妙なバランスを実現しており、長年のファンも新規ファンも楽しめる作品づくりがなされていることが伺えます。
ジュラシック・ワールド復活の大地を観る前に見ておくべき作品|シリーズの関連性
シリーズ全体の時系列と見る順番
『ジュラシック・パーク/ワールド』シリーズは、公開順と作中の時系列が一致しているため、視聴順に迷うことはありません。以下の順番で観ることで、物語の流れを自然に追うことができます:
- ジュラシック・パーク(1993年):スピルバーグ監督による不朽の名作。遺伝子操作で蘇った恐竜たちによる惨劇を描く。
- ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997年):恐竜が野生化した「サイトB」を舞台に、恐竜保護と商業利用をめぐる対立を描く。
- ジュラシック・パークⅢ(2001年):主人公アラン・グラント博士が再び恐竜の島に足を踏み入れ、知性を持つラプトルやスピノサウルスと対峙する。
- ジュラシック・ワールド(2015年):22年後、完全復活を遂げたテーマパーク「ジュラシック・ワールド」を舞台に、新種ハイブリッド恐竜「インドミナス・レックス」の脅威を描く。
- ジュラシック・ワールド/炎の王国(2018年):火山噴火による恐竜絶滅の危機と、人間による恐竜の兵器化という新たな脅威を描く。
- ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022年):世界中に拡散した恐竜と人間の共存問題を描き、初代キャストが再結集する完結編。
- ジュラシック・ワールド/復活の大地(2025年):新キャストによる新章。前作から5年後、生態系バランスが崩れた世界で新たな冒険が始まる。
この順番で観ることで、恐竜と人間の関係性や技術の進化、そして世界情勢の変化などを自然に理解することができます。特に『ジュラシック・ワールド』3部作は密接に繋がっているため、連続して観ることをおすすめします。
最低限見ておきたい前作
時間に制約があり、全作品を観る余裕がない場合は、『復活の大地』を理解するために以下の3作品だけでも視聴しておくことをおすすめします:
- 『ジュラシック・パーク』(1993年):シリーズの原点であり、インジェン社やジョン・ハモンドの理念、恐竜復活の技術的背景など、基礎知識を得ることができます。また、本作で描かれる秘密の研究施設の背景を理解するためにも重要です。
- 『ジュラシック・パーク3』(2001年):本作で再登場するスピノサウルスが主要な敵として描かれています。その凶暴性や特徴を知っておくと、『復活の大地』でのスピノサウルスの描写の違いや進化を楽しめます。
- 『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022年):直前の作品として時系列上の繋がりが強く、恐竜と人間の共存という前提条件を理解するために重要です。世界中に散らばった恐竜たちがどのような状況にあったのかがわかります。
これら3作品を観ておくことで、『復活の大地』の物語背景や設定、そしてシリーズとしての繋がりを十分に理解することができるでしょう。特に『新たなる支配者』は、本作の5年前の世界を描いているため、最も直接的な関連性があります。
登場恐竜と前作からの繋がり
『復活の大地』には、過去作から多くのおなじみの恐竜たちが登場します。それぞれの恐竜が過去作でどのように描かれてきたかを知っておくと、本作をより深く楽しむことができます。
特にスピノサウルスは『ジュラシック・パーク3』で初登場して以来の復活となります。当時はT-レックスをも倒す最強の肉食恐竜として描かれましたが、本作では最新の研究に基づいた姿で再登場。四足歩行と水中生活に適応した姿は、古生物学の進歩を反映しています。
ラプトルは『ジュラシック・パーク』から登場している知性の高い恐竜で、『ジュラシック・ワールド』シリーズではオーウェンが訓練したブルーを中心に重要な役割を果たしてきました。本作でのラプトルが、前作までの個体とどのような関係にあるのかも注目です。
さらに、『ジュラシック・ワールド』で印象的なシーンを見せたモササウルスも再登場。海の恐竜として本作のDNA採取ミッションの標的となっています。また、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で重要な役割を果たしたケツァルコアトルスも登場し、空を支配する恐竜として描かれます。
本作初登場となる大型草食恐竜のティタノサウルスは、実在した最大級の陸上動物のひとつで、その圧倒的なスケールが映像でどう表現されるかも見どころです。これら多彩な恐竜たちが織りなすスペクタクルなアクションシーンが本作の魅力のひとつとなっています。
新たな研究施設の謎と前作との関連性
『復活の大地』で重要な舞台となるのが、インジェン社が『ジュラシック・パーク』建設前に使用していた秘密の研究施設がある島です。この設定は、シリーズ全体の背景設定に新たな深みを加えるものです。
『ジュラシック・パーク』では、ジョン・ハモンドが率いるインジェン社が恐竜の復元に成功し、それをテーマパークとして商業化しようとする姿が描かれました。しかし、その成功に至るまでには多くの失敗や実験があったはずです。本作はその「裏側」に光を当て、恐竜復元技術の暗部を掘り下げる内容になると予想されます。
特に注目したいのは、突然変異した恐竜たちの存在です。『ジュラシック・パーク』でも、カエルのDNAを使用したことによる予期せぬ繁殖能力の獲得など、遺伝子操作の危険性が描かれてきました。本作ではさらに極端な失敗例として、変異した恐竜たちが登場することで、人間の科学的介入がもたらす予測不能な結果という、シリーズ一貫したテーマが強調されるでしょう。
また、インジェン社の秘密研究という設定は、シリーズを通じて描かれてきた「科学者の倫理」や「企業の利益追求と生命倫理の対立」というテーマにも新たな視点をもたらします。パーカー・ジェニングスという新たな製薬会社の登場も、この文脈で興味深い展開を予感させます。
このように、過去作で描かれてきた世界観を拡張しながら新たな物語を紡ぐ手法は、長年のファンに新鮮な驚きを提供すると同時に、シリーズ全体の整合性も保つ巧みな脚本術と言えるでしょう。
まとめ|ジュラシック・ワールド復活の大地は新章の始まり
『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は、『新たなる支配者』で一旦完結したストーリーを引き継ぎながらも、新たなキャストと監督による完全新章として位置づけられています。スカーレット・ヨハンソンを主演に迎えたこの作品は、前作から5年後の世界で繰り広げられる恐竜と人間の新たな関係性を描き出します。特に注目すべきは、過去作に登場した恐竜たちに加えて、インジェン社の秘密研究施設とそこで生まれた突然変異種という新要素が物語にどのような深みと緊張感をもたらすかでしょう。原点である『ジュラシック・パーク』へのオマージュも随所に散りばめられ、古参ファンも新規ファンも楽しめる作品になりそうです。2025年8月の公開に向けて、ぜひ過去作品も振り返りながら『復活の大地』に備えましょう。