近年、メルカリやYahoo!フリマなどのフリマアプリやAmazonや楽天などのECサイトで商品を売買する機会が増えており、その便利さや手軽さから多くの人々に利用されています。
しかし、その一方で、こうしたオンラインプラットフォームには「すり替え詐欺」と呼ばれる悪質な手口が横行していることをご存知でしょうか?「すり替え詐欺」とは、購入者が返品を依頼する際、出品した商品と異なる商品を送り返し、最終的に出品者が損害を被るという詐欺行為です。特に、「メルカリ」や「Amazon.co.jp」などでは、こうした事例が増加しており、多くの出品者が被害に遭っています。
この記事では、実際に起きた「すり替え詐欺」の事例を紹介し、その防止策についてECサイト運営歴25年のGALAXYが解説します。オンライン取引を安全に行うためには、どのような対策を講じればよいのでしょうか。
すり替え詐欺とは何か?
「すり替え詐欺」とは、購入者が商品を購入し、受け取った後に出品者に返品を求める際に行われる詐欺行為です。商品を受け取った購入者が、本物の商品を偽物や類似した別の商品にすり替えたうえで返送し、出品者に損害を与えるという手口が一般的です。フリマアプリやECサイト、特に「メルカリ」や「Amazon.co.jp」でこのような詐欺行為が確認されています。被害を受けた出品者の多くは、問題の無い商品を発送したにもかかわらず、返品された商品が自分の出品したものとは異なる偽物や不良品だったことに気付くのです。
メルカリにおけるすり替え詐欺の事例
メルカリでは、出品した商品が購入者に届き、その後購入者から返品依頼が来ることがあります。しかし、返品された商品が出品したものとは異なる、偽物や全く別の商品にすり替えられていることがあります。例えば、2024年11月14日にメルカリユーザーがX(旧Twitter)に投稿した事例が話題になりました。この投稿者は、購入者が返品した商品が明らかにすり替えられていると証拠写真を用意してメルカリ事務局に訴えましたが、事務局からは「購入者が返品した商品に間違いはない」と判断され、72時間待たずに取引がキャンセルされてしまいました。結果、購入者には返金され、投稿者にはすり替えられた商品だけが手元に残りました。(その後、メルカリのSNS担当から再調査の連絡が来たとのことです)
このように、メルカリでは出品者と購入者の間でトラブルが発生した場合、メルカリ事務局が最終判断を下すシステムですが、証拠の不備などから出品者が泣き寝入りするケースも少なくありません。このようなトラブルを防ぐためには、事前に商品を複数角度から撮影し、出品時の状態と返品された商品の状態を比較できる証拠を残しておくことが重要です。
Amazonにおけるすり替え詐欺の事例
Amazonでも、返品を悪用したすり替え詐欺が頻繁に発生しています。Amazonでは、顧客満足度を重視しており、購入者の返品依頼に対して柔軟な対応を行っています。商品に何らかの問題があった場合は、購入者の自己都合でも返品が認められるケースが多いため、悪質な購入者がこのシステムを悪用することがあります。
たとえば、高額な商品を購入した後に中身を安価な偽物や壊れた商品とすり替え、返品してしまうケースが報告されています。また、返品を判断する際に重量をクリアするために粘土や水が返品される場合があります。
返品された商品は、そのまま再販売されるか、出品者の手元に戻されるため、出品者は不良品を受け取ることになり、金銭的な損失を被ることになります。Amazon側は、返品された商品の内容物を詳しく確認しないことが多いため、このような詐欺が横行しやすいのが現状です。
EC運営25年のプロが教えるすり替え詐欺に対する対策
すり替え詐欺に対抗するためには、出品者側も発送前に対策を講じる必要があります。
EC運営25年の私たちも行っている対策一覧です。
①発送前に商品の詳細な写真を撮影する
出品時に、商品の全体像や特徴的な部分(傷、シリアルナンバー、付属品など)を詳細に撮影し、商品がどのような状態であったかを証拠として残します。特に、商品の状態や特定できる部分を撮影することで、返品された商品と元の商品が異なる場合に証拠として活用できます。
② 返品された商品と出品時の商品を比較する
返品された商品を受け取ったら、すぐに出品時に撮影した写真と照らし合わせて確認します。異なる商品が返送された場合には、その違いを証拠として記録し、プラットフォームのサポートに迅速に報告します。
③ 取引相手の評価を確認する
購入者の評価を事前に確認し、信頼できる相手と取引を行うよう心がけましょう。低評価の多い購入者や、返品が頻繁に発生しているアカウントには注意が必要です。信頼できる相手と取引することで、リスクを減らせます。
④プラットフォーム側のサポートと連絡体制を活用する
商品が返品された際には、プラットフォームのサポートに連絡し、状況を報告します。証拠となる写真や商品説明を提供し、問題解決を早急に行えるように努めましょう。特に、メルカリやAmazonでは、迅速な対応が求められます。
⑤匿名配送は使用しない・送料を購入者負担にする
匿名配送を使用せず相手の配送先情報をもらったり、送料を購入者負担にすることで詐欺目的の購入者に狙われる可能性が低くなります。
売れる可能性が低くなってしまうかもしれませんが、高額商品を売る場合などはリスク回避のために検討してみて下さい。
メルカリやAmazonなどのプラットフォーム側の改善が求められる
すり替え詐欺の被害を減らすためには、プラットフォーム側の対策強化が必要です。メルカリやAmazonが、返品された商品の確認プロセスを強化し、出品者と購入者の双方に公平な対応を行うシステムを導入することが求められています。返品商品の内容を詳細に確認するシステムの導入や、証拠の提出方法の明確化など、出品者が安心して取引できる環境が整備されることが期待されます。
まとめ
すり替え詐欺は、フリマアプリやECサイトにおいて深刻な問題となっており、メルカリやAmazonのような大手プラットフォームでも被害が報告されています。出品者は、自身の商品がすり替えられるリスクを理解し、事前の対策を講じることが大切です。また、プラットフォーム側もこのような詐欺に対する監視体制を強化し、出品者が安心して利用できる仕組みの整備が求められています。