昭和の時代がもつ独特のノスタルジーや文化の魅力が、新しい視点や体験を求める外国人観光客の興味を引き、骨董市や蚤の市に外国人観光客の姿が多く見られるようになりました。彼らに人気のアイテムから、昭和レトロを体験できるアクティビティや喫茶店までご紹介します。
昭和レトロを感じるアイテム
人気があるのはお土産として、自分のコレクションとして購入できる昭和レトロアイテムです。中でも人気のアイテムをいくつか紹介いたします。
巾着やガマ口財布
ガマ口財布や巾着が外国人に人気の理由は、日本独自のデザインや機能性、そして文化的な魅力を感じるからでしょう。
ガマ口財布の特徴である「カチッ」と閉まる仕組みや、巾着の紐を引いて開閉するシンプルな構造は、海外ではあまり見られません。また、伝統的な和柄や手作り感のある生地、鮮やかな色合いが日本文化を感じ、土産品としても最適です。コンパクトで軽量なため持ち運びやすく、外国人観光客にとって実用的でもあり、手軽に日常生活に取り入れられる点も人気の理由のひとつです。
手ぬぐい
手ぬぐいは、タオルやハンカチ、テーブルクロス、ラッピングなど多様に使え、「布1枚で何役もこなす」便利さが好まれています。
また、日本特有の伝統的な染め技術が施された和柄や季節ごとの模様など、手ぬぐいには日本らしいデザインが施されており、アートとしても楽しめる点も魅力です。さらに軽くてかさばらないため、お土産としても手軽に持ち帰りやすく、実用性とデザイン性を兼ね備えたアイテムとして人気を集めています。
根付け
普段着物を着ない人なら、日本人でも知らない人はいるかも知れません。根付けは、着物の帯に小物を付けるための留め具として使われいていたもので、江戸時代のキーホルダーとも言われたりしています。江戸時代のアイテムでは…?とも思いますが、昭和でも初期の頃はまだまだ着物を普段着としていた人もいたため、昭和レトロの区分けとして紹介されることも多いアイテムです。
精巧な彫刻や多様な素材から、日本の職人技術と美意識が感じられ、まるで小さなアート作品のよう。デザインも多様で、動物や植物、縁起物など日本らしいモチーフが外国人にとってエキゾチックに感じるでしょう。また、キーホルダーやチャームとして使えるため、バッグにつけたりなど日常で利用できるので、身近に日本を感じられるのが魅力の一つです。
着物
根付けがあるならもちろん着物も昭和レトロとして人気のアイテム。昭和初期頃の着物は明るく鮮やかな色彩が多く、抽象的な柄やストライプが人気だったようです。従来の伝統的なデザインからモダンでアート性の高いデザインが増えていった時代ですので、もし外国人の方が昭和レトロな着物を探していたら教えてあげるといいですね。
音楽機器
言葉がわからなくても楽しめるのが音楽。昭和の音楽や音楽機器は海外でも人気です。
ラジカセやカセットテープはレコードと同じように懐かしさやレトロな雰囲気を味わえます。また、音質はデジタルと比べて荒削りなところもありますが、それが「味」として楽しめるでしょう。また、昭和時代のラジカセの独特なデザインが非常にエキゾチックであると見えるようです。これは、日本のアニメなど特にサブカルチャーからの影響が強いでしょう。
おすすめ:渋谷の中古ラジカセ・中古ブランクカセットテープの専門ショップ
DESIGN UNDERGROUND SHIBUYA-BASE
70-90年代のカセットテープと出会えるお店です。渋谷に店舗があるのでアクセスがよく、渋谷観光のついでにふらっと寄れるのが特徴。
昭和レトロを感じる喫茶店
昭和レトロを感じる喫茶店は、SNS映え抜群。外国人観光客の旅の思い出として人気の高い場所です。
東京・神保町駅「さぼうる」
「さぼうる」は1955年に開業し、昭和時代のレトロな雰囲気をそのまま残しています。木製の家具やアンティークな装飾、薄暗い照明が独特の懐かしい空間を演出し、昭和時代のノスタルジーを感じられるため、外国人観光客にとっても「日本の昭和時代の風景」を体感できる場所となっています。
看板メニューである「ナポリタン」は、ふんわりとしたケチャップ味のソースとモチモチの麺が特徴で、日本独自の洋食として人気があります。カラフルなクリームソーダもSNS映えするととても人気の品です。
また、立地も神保町駅A7出口から徒歩一分というアクセスの良さと、喫茶店だけはなく神保町の古本も一緒に観光できるのでおすすめです。
東京・虎ノ門駅「ヘッケルン」
「ヘッケルン」は、1971年に創業した歴史ある喫茶店で、家具や装飾、クラシックなカウンターなどが、まるでタイムスリップしたかのような昭和のレトロな空気感のあるお店で、外国人観光客にとっても「日本の昔ながらの喫茶店」を体験できる場所として人気です。
名物は半世紀以上変わらぬ味を守り続けた「ジャンボプリン」で、やや固めで素朴な甘さが特徴です。外国では柔らかめでクリームのようなプリンが主流のため、日本の喫茶店特有の固めのプリンは新鮮に映るのでしょう。一般的なプリンのおよそ2.5倍というボリューム感も写真映えするとして人気です。ただし、一日の上限個数があるので売り切れには注意しないといけません。
また、虎ノ門は主にビジネス街として知られ、外国人観光客にとってはあまり訪れることのないエリアです。周囲のビジネス街とのギャップも魅力の一つになっています。普段の観光ルートとは少し違う「隠れた昭和の名店」として、愛されています。
東京・新橋駅「喫茶フジ」
1971年以来、内装をほとんど変えていない喫茶フジは、昭和レトロを感じるにはピッタリのお店。どの席から見える富士山のパネルは、外国人観光客にとって嬉しい内装ではないでしょうか。分厚いホットケーキにはお店のロゴが焼印されていて、同じデザインのコーヒーカップやカラフルなクリームソーダといっしょに写真に収めたいですね。見せ前に展示された食品サンプルは外国人にとっては物珍しく、ポップでカラフルな色合いはそれだけでSNS映えするでしょう。場所柄サラリーマンが多く利用し、現代の東京のビジネス街と昭和の喫茶文化が交差する独特の体験ができる点も魅力です。
オリジナルロゴが印字されたコーヒーカップ&ソーサーは岐阜の美濃焼で、店内で購入できるので、富士山のイラストが書かれたお土産としてもピッタリですよ。
昭和レトロを感じるアクティビティ
「日本の田舎の学校体験」が廃校キャンプ場 CAMPiece君津で行えます。外国人向けのプログラムなので全て英語で構成されていますが、日本人の利用もできるみたいです。学ラン・セーラー服を切れて、昭和の学校を一日体験できるこの体験型観光サービスは、入学式や朝のホームルーム、日直や、日本ならでわの授業である書道などを楽しめます。最後は卒業式を行い、卒業証書を手にできます。担任の先生は基本的に英語で話してくれるので、日本語がわからない日本初心者の方でも、昭和の学校を楽しむことができます。
旧亀山中学校と旧坂畑小学校を利用した施設で校舎や校庭には当時の面影が。アニメなどで日本の学校を見たことがある人は、とても楽しめるアクティビティです。
昭和レトロを探すなら骨董市
昭和レトロを探すなら、外国人観光客が飛び込みで参加しやすい骨董市もおすすめです。
大江戸骨董市
東京で開催される日本最大級の屋外骨董市です。有楽町の東京国際フォーラムで行われ、江戸時代から昭和までの時代を反映した古美術品や骨董品、アンティーク家具、陶磁器、着物、アクセサリーなど多彩な商品が集まります。国内外から訪れる骨董好きに人気があり、出店数も100以上と多く、珍しい掘り出し物を見つける楽しみがあるのが魅力です。日本文化の魅力が詰まった大江戸骨董市は、ただの買い物の場にとどまらず、歴史や文化に触れながら散策できるため、外国人観光客にも好評です。
富岡八幡宮骨董市
富岡八幡宮骨董市は、東京の江東区にある富岡八幡宮境内で開催される歴史ある骨董市です。この市は毎月第1(1月は除く)第2.第4.第5日曜日(15日28日に当たる場合は、休会)に行われ、第2日曜は東洋品が中心となっているようです。販売品は古美術品や和骨董、西洋アンティーク、古書や絵画、陶磁器、工芸品、雑貨など多岐にわたります。江戸時代から続く富岡八幡宮の神社の趣ある境内が会場となるため、歴史的な雰囲気を味わいながら掘り出し物を探す楽しさが魅力です。また、比較的アクセスも良く、地元住民だけでなく外国人観光客も訪れやすいスポットとして親しまれています。
まとめ
外国人観光客が増え続けている中、SNSなどで昭和レトロが海外で話題になっています。もしあなたの身近な外国人が日本を観光したいと連絡があったときには、昭和レトロを感じるスポットを巡ってみては?古すぎず新しすぎないデザインはきっと、日本観光のいい思い出になるでしょう。