最近、ウェルビーイングと言う概念が注目され始め、教育現場や会社、福祉等で耳にすることが多くなりました。
ですが、具体的にどのような意味なのか、また実生活でどう取り入れられているのかを深く理解している人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、ウェルビーイングの基本的な概念や、日本社会における実際の取り組みについて解説します。
個人で実践できるウェルビーイング向上の方法についても紹介しているので、参考にしてくださいね。

ウェルビーイングとは?基本概念を簡単に解説
ウェルビーイング(Well-being)は「良い状態」を意味する言葉で、単なる幸福や健康を超えた、身体的、精神的、社会的に満たされた調和の取れた状態を指します。
これは個人だけでなく、組織や社会全体の幸福感や活力にも関係すると考えられていて、日本でも注目度が上がってきている概念です。
近年、日本でも政府や企業が注目し、ウェルビーイングを向上させるための政策や活動が進められています。
ウェルビーイングの5つの要素(PERMA理論)
ウェルビーイングを体系的に理解するためには、ポジティブ心理学の第一人者、マーティン・セリグマンが提唱したPERMA理論が役立ちます。
PERMA理論とは、ウェルビーイングを高めるために必要と考えられている5つの要素の頭文字を取った言葉です。
PERMA理論では、幸福感を高めるために喜びや感謝、希望などの前向きな感情を大切にすることが推奨されています。
また小さな目標を日々設定して達成することや、良好な人間関係を築いて自分の存在意義を感じることも重要です。
趣味や仕事などで没頭感を感じられることも、ウェルビーイングを高めるのに必要な要素と言われています。
学校におけるウェルビーイングの取り組み
教育現場でもウェルビーイングへの注目が高まっており、取り組みをしている学校も増加中です。
学校教育におけるウェルビーイングは、特に子どもたちの「心の健康」に注目したものが多く取り入れられています。
上記のような取り組みは、生徒が気軽に悩みを打ち明ける環境の提供や、心の健康について学ぶ機会を得るのが目的です。
文部科学省では、児童へのサポートと同様に教師へのサポート体制の整備や、生徒が好きな科目に打ち込める学習環境作りや、学習指導なども必須と分析しています。
会社におけるウェルビーイングの取り組み
企業では、生産性を高めるだけでなく、従業員の幸福感を高めることが重要視されています。
会社におけるウェルビーイングの施策としては、以下のような内容が多いです。
近年はリモートワークや時差出勤を可能にし、ワークライフバランスを重視することで心身の健康をはかる企業が増えています。
また、瞑想やリラクゼーションの時間を提供することで社員のストレスの軽減や生産性を上げようという目的もあるようです。
社員のウェルビーイングが向上すると、離職率の低下や企業ブランド価値の向上にも繋がります。
福祉でのウェルビーイングの取り組み
福祉の現場では、利用者がより豊かに暮らせる環境を整えることがウェルビーイングの重要な要素です。
そのため、 一部の高齢者施設では単なるケアだけでなく、以下のようなウェルビーイングを重視したサービスを提供しています。
例えば、ヨガや音楽療法を導入することで体を動かしたり、交流の機会を設けることになり、日々の暮らしに彩りを添えられます。
その結果、高齢者の孤独感や抑うつ症状が軽減されやすくなり、健康で幸せな生活を送ることが可能です。
また、地域ボランティアとの交流を促進することで「自分は社会に受け入れられている」という社会的な繋がりを感じやすくする狙いもあります。
ウェルビーイングを向上させるには?
ウェルビーイングを高めるためには、社会でのアプローチに限らず、個人でも取り組んでいくことが重要です。
以下では、ウェルビーイングの向上にむけて個人でも取り組みやすい活動を紹介します。
ポジティブ思考を促す習慣づくり
ウェルビーイングを高めるには、物事に対してポジティブでいることが重要です。
とはいえ、いきなりポジティブ思考になるのは難しいので以下のような習慣を取り入れてみてください。
継続することで少しずつ物事に対する考え方が変わり、ポジティブな思考を持てるようになります。
健康を意識した生活スタイル
ウェルビーイングを向上させるには、健康も大切です。
近くのコンビニまで歩く、いつもより30分早く寝る、野菜を多めに食べるなど健康を意識した生活を送りましょう。
人間関係の質を向上
ウェルビーイングな状態には、良好な人間関係を保つことも大切です。
SNSでの交流が悪いとは言いませんが、直接会うことで人間的なつながりを感じやすくなります。
また、つらいときに支え合える関係があれば、困難な状況を乗り越えやすいです。
自己肯定感を高める
自己肯定感を高めることも、ウェルビーイングには欠かせない要素です。
人には得意、不得意があるので、何かできなくても「これでいいんだ」と自分を認めてあげるのも大切です。
また、完璧を目指すよりも、小さな成功体験を積み重ねることが重要になります。
まとめ
ウェルビーイングとは、単なる健康や幸福という枠を超えて、心と体、社会的なつながりなどが全体的に良好な状態を指します。
学校や会社、福祉など、あらゆる場面での取り組みが進む中、個人でも日常生活の中で意識することが大切です。
この記事で紹介した内容を参考に、ウェルビーイング向上のための行動を始めてみてください、