ライターのYAYOIです。
水を飲むことには多くの健康効果があり、普段の水分補給の他にダイエットや心身のデトックスなどで水を飲んでる人も少なくないでしょう。
かくいう私も水分大好き!
水分が不足すると乾燥肌や弾力の低下、くすみなどが目立つようになるので、こまめに水を飲むようにしています。
特に暑い日には500mlのペットボトル1本では足りず2~3本飲んでしまいます。
水は私たちの体にとって欠かせないものですが、実は飲み過ぎも良くないようです。
暑さでつい飲み過ぎてしまうことがあるので、水を飲み過ぎるとどうなるのか調べてみました!
水分の役割と理想的な量
まず、私たちの体における水の重要な役割を再確認しましょう!水は体温の調節、栄養素の運搬、老廃物の排出など、様々な重要な機能を担っています。そのため、適切な水分補給は健康を維持するためには欠かせません。
一般的に、成人が1日に必要とする水分量は約2リットルとされていますが、この量は体重、活動量、気候などによって異なります。年齢、性別、体格には個人差がありますが、食事から摂取する水分や体内で生成される水の量は1.3リットルであり、失われた水分を補うためには新たに1.2リットルの水分を摂取する必要があります。
基本的には、喉が渇いたときに水分を摂るのが最も自然で適切なようです。
水の飲み過ぎは体調不良になる
多飲症と水中毒
一日に十リットル以上の大量の水を飲むことを多飲症と呼びます。この多飲症が引き起こす水中毒は、過剰な水分摂取によって中毒症状が現れ、低ナトリウム血症を引き起こす状態を指します。
低ナトリウム血症(ヒポナトレミア)は、過剰な水の摂取によって体内のナトリウム濃度が過度に希釈されるすぎてしまうことがあります。主な症状には、めまいや頭痛、多尿・頻尿、下痢などが含まれます。状態が悪化すると、吐き気や嘔吐、錯乱、意識障害、性格変化、呼吸困難などの症状が現れ、最悪の場合は死に至ることもあります。
海外では、水の飲み過ぎによる低ナトリウム血症による死亡事故が報告されています。また、多くの水を飲むことを競う競技で7.5Lの水を飲んだ女性が死亡したケースや、フットボールの練習中に14Lの水分を摂取した男性が亡くなった事例があります。これらの事件は報道で注目されており、非常に稀な事故とは限らないのです。
水の飲み過ぎがもたらす8つのリスク
1. 低ナトリウム血症(ヒポナトレミア)
- 原因: 大量に水分を摂ると、体内のナトリウム濃度が薄まります。ナトリウムは体の水分バランスを維持するために重要な電解質であり、その濃度が下がると低ナトリウム血症を引き起こします。
- 症状: 頭痛、吐き気、嘔吐、筋肉のけいれん、混乱、意識障害、ひどい場合にはけいれんや昏睡などが発生することがあります。
2. 腎臓への負担
- 原因: 腎臓は体内の水分バランスを調整する役割を持っていますが、過剰な水分が続くとその機能に負担がかかります。
- 症状: 腎臓に負荷がかかると、尿が頻繁に作られることがあります。また、慢性的に過剰摂取を続けることで、腎機能に悪影響を与えることがあるかもしれません。
3. 頻尿
- 原因: 水分を多く摂取すると、腎臓が大量の尿を作り出すため、トイレに行く頻度が増えます。
- 症状: 日常生活や睡眠に支障をきたすことがあります。
一般的に排尿の回数は1日に5~7回くらい(昼間の排尿の間隔が約3~5時間)が正常といわれています。1日の排尿回数が8回以上に及ぶと「頻尿」とされます。
4. 腹部の膨満感
- 原因: 一度に大量の水分を摂取すると、胃が膨らみ、腹部に圧迫感を感じることがあります。
- 症状: 腹部の膨満感、違和感、消化不良などが起こることがあります。
5. 筋肉のけいれん
- 原因: 低ナトリウム血症が原因で、筋肉の機能が障害されることがあります。
- 症状: 筋肉のけいれんやこむら返りが発生することがあります。
6. 脱力感や疲労感
- 原因: 電解質のバランスが崩れると、体のエネルギーが低下し、脱力感や異常な疲労感が生じることがあります。
- 症状: 日常生活や運動において、エネルギー不足を感じることがあります。
7. 頭痛や吐き気
- 原因: 水分過剰により脳が圧迫され、また電解質バランスの乱れが原因で頭痛や吐き気を引き起こすことがあります。
- 症状: 頭痛や吐き気、めまいなどが現れることがあります。
8. 不安感や精神的な混乱
- 原因: 体内の電解質のバランスが崩れると、脳に影響を与え、精神的な不安や混乱を引き起こすことがあります。
- 症状: 気分の変動や集中力の低下、精神的な混乱が見られることがあります。
水を飲みすぎないための対策と対処法
水を飲みすぎないためには、適切な水分摂取量を管理し、体のサインに耳を傾けることが重要。ここでは、水分摂取を正しく管理し、過剰な水分を避けるための方法や対処策をまとめました。
水を飲みすぎないための対策
1. 適切な水分摂取量を理解する
- 推奨量: 成人は通常に1日に約2リットル(コップ約10杯)の水分を摂取することが勧められています。しかし、体重や活動レベル、気候、健康状態によって異なるため、自分に合った量を把握することが重要です。
- 体調に応じた調整: 運動をする日や暑い気候の日は、通常より多めに水分を摂取する必要がありますが、取りすぎないように注意します。
2. 喉の渇きを基準にする
- 渇きを感じたときに飲む: 喉の渇きを感じたときに水を飲むことを基本にしましょう。喉が渇いていないときには、無理に水分を摂らないようにします。
- 水分補給のタイミング: 食事中や運動中に少量ずつ水を飲むことで、体の水分バランスを保つことができます。
3. 食事からの水分摂取を意識する
- 水分が豊富な食品: スイカやキュウリ、トマト、オレンジなどの水分を多く含む食品を食べることで、食事から水分を補うことができます。
- バランスの良い食事: ナトリウムやカリウムなどの電解質を含む食品を取り入れることで、体内の水分バランスを保つようにしましょう。
4. 水分の摂取量を記録する
- 摂取量の管理: 毎日の水分摂取を記録し、過剰になっていないかどうかを確認します。特に目標量を設定し、達成度をチェックするのが効果的です。
- アプリの利用: 分摂取量を記録できるアプリを使うことで、管理がより簡単になります。
5. 一度に大量に飲まない
- 少しずつこまめに: 一度に大量の水を飲むのではなく、少しずつこまめに水分を補給するよう心がけましょう。
- ペースの調節: 一日を通して一定のペースで水分を補給することが、体に負担をかけない方法です。
6. 運動や気候に合わせた調整
- 運動中の水分補給: 運動中や後には水分補給が必要ですが、こまめに少量ずつ飲むようにします。スポーツドリンクで電解質も補うことが効果的です。
- 気候に合わせた調整: 高温多湿な場所や寒冷な地域では、水分の取り方を見直し、体調に応じた対応を心がけます。
7. アルコールやカフェインの摂取に注意する
- 利尿効果のある飲み物: アルコールやカフェインを含む飲み物は利尿作用があり、体内の水分が失われることがあります。これらの飲み物を摂る際には、その分の水分補給に気を付けましょう。
水中毒になったときの対処法
1. 迅速に医療機関を受診する
すぐに医療機関を受診すること:水中毒は緊急の状況であり、迅速に対処する必要があります。症状が出た場合は、直ちに病院や救急センターに行くことが大切です。
2. 医療機関での治療
ナトリウムの補充:医療機関では、点滴などでナトリウムを補充する治療が行われます。これにより、体内のナトリウム濃度が正常に戻ります。
利尿剤の使用:必要に応じて、利尿剤を使用して体内の余分な水分を排出することがあります。
状態の監視:医療チームは、血液検査やモニタリングを行い、ナトリウム濃度の回復を確認します。
3. 自宅でできる予防策
適切な水分摂取:水分摂取量を適切に管理し、一度に大量の水を飲むのは避けましょう。特に運動中や暑い気候での過剰な水分摂取に注意が必要です。
電解質の摂取:スポーツドリンクや、ナトリウムやカリウムを含む食事を摂取することで、電解質バランスを保ちます。
体調のチェック:頻繁な尿意や、異常な疲労感、頭痛、吐き気などの症状が現れた場合は、水分摂取量を見直し、必要に応じて医療機関を受診することが重要です。
4. 特に注意が必要な状況
長時間の運動:長時間の激しい運動や、マラソンなどの際には水分と電解質のバランスが崩れやすいので、適切な補給が必要です。
特定の健康状態:腎臓疾患や心疾患がある場合、医師の指導に従って水分摂取を調整することが重要です。
経口補水液で水中毒を未然に防ごう
最近、ドラッグストアなどで購入できる経口補水液は、脱水症状の緩和に加えて、水中毒の予防にも推奨されています。この経口補水液は、人間の体液に似た成分で作られており、ナトリウムや糖分が含まれています。特にナトリウム濃度はスポーツドリンクの2倍から4倍程度で、水分補給をしながら、十分なナトリウムを摂取できることが特徴です。
自宅で作れる経口補水液レシピ
経口補水液は、自宅で簡単に手作りすることができますよ!この経口補水液を作ることで、脱水や水中毒を手軽に予防できます。お好きなフレーバーを選んで、自分にぴったりの味を見つけてください。
材料:
- 水:1リットル
- 塩:3グラム(小さじ1/2程度)
- 砂糖:40グラム(大さじ3程度)
オプション:
- レモン果汁:大さじ2〜4杯
- グレープフルーツ果汁:大さじ2〜4杯
- ハチミツ:同量の砂糖と置き換え
作り方:
- 水を準備:
- 1リットルの水を用意します。
- 塩と砂糖を加える:
- 水に塩3グラム(小さじ1/2程度)と砂糖40グラム(大さじ3程度)を加えます。
- よく混ぜる:
- 塩と砂糖が完全に溶けるまでよく混ぜます。
- お好みでオプションの追加:
- 経口補水液が飲みにくいと感じる場合は、レモンまたはグレープフルーツのジュースを大さじ2〜4加えることで、風味が良くなります。
- また、砂糖をハチミツに替えることで、より飲みやすくなります。
経口補水液は、体内のナトリウム濃度を補充するために使われており、脱水症状や水中毒を防ぐのに効果的です。
しかし、普段の水分補給として飲用するものではありませんので常飲しないようご注意ください。
おわりに
水は健康に良いけど、飲み過ぎると体調不良を引き起こす可能性があることがわかりました。体調に変化を感じた場合は、早めに専門家に相談することで、健康を守ることができます。水を飲むときは適切な量を心がけ、体のサインに敏感であることが大切ですね!