「北海道ではブリを食べない」という噂を聞くことがありますが、これは本当なのでしょうか。
この記事では、北海道でブリを食べないという噂の真偽と、ブリを食べないと言われている理由について解説します。

北海道でブリを食べないのはなぜ?
「北海道でブリを食べない」という噂は、正確に言うと間違いです。
ただ、北海道ではサケの漁獲量が多く需要も大きかったため、ブリはあまり注目されなかったという背景があります。
もともと、ブリは暖かい海域を好む魚なので冷涼な気候の北海道ではあまり獲れませんでした。
獲れたとしてもサケと比べて安価なため、あまり好んで漁獲されなかったという側面も大きいでしょう。
つまり味や好みの問題ではなく、北海道民にとってブリは馴染みのうすい魚だったというのが正しい表現です。
ですが、近年では地球温暖化の影響で海水温度が上がってサケの漁獲量が減少し、ブリの漁獲量が増えています。
その影響でブリが北海道の市場に出回る機会が増え、「北海道でブリを食べない」はもう昔の話になりつつあります。
北海道のブリ事情
「北海道でブリを食べない」は誤りだとわかったところで、近年の北海道でのブリ事情について解説します。
北海道ではブリの漁獲量が右肩上がりになっている
北海道では、年を追うごとにサケの漁獲量が減り、反対にブリの漁獲量は右肩上がりになっています。
実際に函館では2010年〜2020年の間にブリの漁獲量は約7.7倍に増え、従来の名物と言われていたイカの漁獲量を追い抜きました。
このような現象は函館以外でも起きていて、おかげで北海道の市場でも新鮮なブリが出回るようになっています。
ブリがふるさと納税の返礼品になっている地域も
北海道のいくつかの自治体では、近年ブリの漁獲量が増加したことを受け、ブリをふるさと納税の返礼品として提供する取り組みが広がっています。
北海道白糠町では、漁獲量の増加に伴って地元で獲れたブリを「極寒ブリ」としてブランド化し、商標登録を行いました。
まとめ
「北海道でブリを食べない」という噂はかつての状況を反映したものですが、現在では変化しています。
近年では北海道でのブリの漁獲量も増えて広く流通するようになったことから、ブリは北海道でも日常的に食べる魚になりつつあると言えるでしょう。
ふるさと納税の返礼品にしている自治体もあるため、将来的には「北海道といえばブリ」というイメージが定着する日もくるかもしれません。